山田side
出だしは順調かな。
しっかし…バレねぇのかよ、俺…笑
いやもうファンの視界に入ってるはずなのに全然見向きもしねぇ……いや、待て。
ここに居るのってあなたのファンだから、俺の事を探すわけねぇか。
……自意識過剰め。
まあ、いいや。
今はあなたが無事にライブを過ごせれば。
あなた、めっちゃ楽しそうで良かった。
相変わらずあなたの歌声は安定して上手い。
ダンスも普通に踊れてるし、ファンが釘付けになるのも分かる。
一日限りのパフォーマンス頑張れ。
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あなたside
そうだ、これだよ、これ。
私がずっと見たかった景色。
たくさんの人がペンライトを振って、私を見てくれてる。
ペンライトの光が夜景みたいに綺麗に輝いてる。
この空間の中心にいるのは、私なんだ。
1年待った甲斐があった。
一人ひとりの声が今日はよく聞こえる。
全員に反応してあげたい。
限界まで頑張ってより多くの人にファンサ出来たら良いな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。