第153話

寝る前に
1,883
2020/07/22 23:11
山田side

電気がついてる……ってことは起きてる?


いやいやいや、だって、あなたが部屋に行ったのって10時くらいでしょ?

起きてるってことはないよな……


でもじゃあ、なんでついてんの?



普通に消し忘れかな?


消しといた方が良いかな……いや、でもあんまり入らない方が良いよな……



ガタッ



その時、何かが落ちる音がした。


確実に、あなたの部屋から。



大きな音ではなかったけど……やっぱり不安になってしまい、気付いたときにはドアを開けていた。
山田涼介
あなた……?
声を掛けても反応はなく、静かに寝ていた。


どうやら音の原因は、ベッドから落ちたと思われるスマホ。あなたが動いた時に落ちたんだろう。


あなたの無事は確認できたし、電気消して戻るか…


クシャ

山田涼介
ん?なにこれ?
足下に落ちていた何かの紙を踏んでしまった。

特に何も書かれておらず、ただの白紙。
と思ったら、裏面だったようでうっすらと文字が書かれていた。

表面を見ようとした時、
あなた

ん……

あなた

あれ……?山…ちゃん……?

山田涼介
えっ、あ、あなた、
とっさに拾った紙を後ろに隠して返事をした。
あなた

どうしたの…?

山田涼介
あー、いや、電気ついてたから消そうかなーと思って…。
あなた

そうだったんだ、ありがとう。

山田涼介
うん、えっとー……じゃ、消しとくから、おやすみ~…
あなた

うん、ありがとう!おやすみ!

パチッ



ガチャ


ゆっくりとドアを閉めて、部屋から出た。





そういえば、紙も持ってきてしまった。

どうしても気になって、自分の部屋に戻ってから、中身を読んでしまった。




あなたの秘密が書かれているとも知らずに。

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