10月21日
瑠衣side
そう。今日は父さんも一緒という異例の事態。
いや、まあ別にいいんだけどね。
今までに無いくらい静か…。
心なしか、皆があなたと距離を置いているように見える。
…ん?何かあなた震えてない?顔も強張ってるし。
いつものあなたじゃない。
っていうか、よく見たらあなたアザ出来てない?
その時、あなたが泣いた。と言っても声はそんなに出さず、目から涙が流れただけ。
その目は真っ直ぐ、俺の父さんを見ていた。
声は震えてたし、小さかったけど、明らかに言っていた。
「なんで、ここに居るの?」
そのあと、父さんが席を外した。あなたは震えたまま、何かを言っている。
父さんと何かあったのか?あなたと繋がりが……?
マネージャーに言われるがまま動いてあなたはマネージャーの家に帰った。
昨日やり過ぎたってどういうことだ?
怒りを……ぶつけた…………?
なんで、伊野ちゃん苦笑いなの……?
なんで、大ちゃん笑ってんの……?
もっと、深刻そうな顔しても良いんじゃないの……?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!