あなたside
次の日私はいつも通り大学へ行くことにした。
翔太くんはA子にメールをして、10時にカフェで待ち合わせをしているらしい。
と翔太くんの一言を聞いて私はマンションを出た。
何事もなく大学に着いて門を潜ろうとした瞬間、知らない男が腕を掴み車へ連行する。
男の力は強く、抵抗することもできない。
私はスマホをポケットから取ろうとすると、
とA子が車の後ろに乗っていて、スマホを没収される。
そう言って私の口と手にガムテープを貼られる。
「どうしよう…助けも呼べない…」
何も出来ずに私は意識を失ってしまった。
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翔太side
10時になり、俺はカフェでA子が来るまで待機する。
スマホの画面を見てもあなたからの連絡はない。
「無事大学に行けたみたいだな」
そう思っていると、
ピコン
と1通のメールが来た。
開いてみるとふっかからだった。
俺はカフェを出て、ふっかのGPSを頼りに車を発進させた。
何かあった時のために、Snow Manのメンバー全員には連絡を入れておいた。
すると、みんなは
『あなたのためなら』
と事務所の車でこっちへ向かってくれるらしい。
佐久間が社長にこの事を知らせてくれたみたいで、もしものために警察も控えているらしい。
俺は祈りながら、アクセルをグッと踏んだ。
♡×9
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!