あなたside
翌朝、私は1階に降りるといつもいるはずの舘様がいなくて、リビングはガラーンとしている。
舘様がいないから私はみんなの分の朝ごはんを作る。
昨日あれだけ飲んでいたらみんなは2日酔い確定だろう。だから作るといっても人数分のお粥だけ。
ラウールの分は、トーストと目玉焼きを作った。
いい匂いがしたのか、誰かが階段を降りてくる音がする。
ラウールだ。
とラウールは朝ごはんを食べて、ちゃんと食器を洗い、
と言ってシェアハウスを出ていった。
ラウールが出ていったタイミングで数人上から降りてくる。
あれ夢じゃなかったんだ…
「あんなに硬直して私たちのこと見てたのに!?覚えてないの!?」
でもこれはラッキーだ。翔太くんに覚えられてたら私がショック受けちゃう…だって翔太くんのこと好きなんだもん!好きな人の前で他人とのキス見られたくなくない!?
すると、また数人降りてきた。
ふっかさんに言われてしまい、翔太くんに説明しなければならなくなってしまった。
これを知ったら翔太くんはどう思うだろう…
♡×11
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!