あなたside
私と翔太くんはお揃いの麦わら帽子を買って海辺に向かう。
お揃いのものを買うのは初めてだから、ちょっと恥ずかしい。
私たちが海に足をつけながら話していると、見覚えのある人に声をかけられた。
この人はスマホを落としませんでしたか?って言ってる。
この声、身長、顔立ち、サングラスをしてても分かる。きっと阿部ちゃんだ。
聞かれた内容をわかった上で翔太くんに聞いた。
なぜかって?翔太くんは絶対阿部ちゃんの事に気づいてないし、阿部ちゃんもきっとメンバーにやらされてるだろうから様子を伺うため。
翔太くん意外と英語の聴き取りができるらしい笑
←意外とって何だよ笑 by渡辺
私は阿部ちゃんからスマホを受け取った。
阿部ちゃん“honeymoon”って言っちゃってるし笑
この単語を聞いて私は確信した。
阿部ちゃんは反対方向に歩いていく。
私は気になりながら阿部ちゃんの後ろ姿を見ていると、
と呑気な翔太くん。
マイペースです笑
『このままじゃ気になってしょうがない!』
そう思った私は阿部ちゃんの腕を掴んだ。
掴まれた阿部ちゃんも、隣に立っている翔太くんもびっくりしている。
私が尋ねると、
と言ってサングラスを外した。
翔太くんは驚きすぎて腰をおさえている。
私たちが話していると、奥から「阿部ちゃん何やってくれてんの〜!」と残りのメンバーが走ってこっちに来た。
パシャッ
めめがそう言った時だった。
奥から身長が超高い男の子がグッタリしながら走ってきた。
みんな笑顔でピースをした素敵な写真だった。
結局私たち10人は同じホテルに宿泊し、次の日は「翔太とイチャイチャして来い」と言うことで帰る飛行機までは翔太くんと予定通りの観光地を訪れ楽しい新婚旅行となった。
あの時、海で撮った写真はずっとシェアハウスの玄関に飾ってある。
♡×30 番外編fin.
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!