あなたside
私は大学から歩いて帰っていると、
ちょっと前に翔太くんらしき人が歩いていた。
「翔太くんだ!」
と思い走ろうとした瞬間、私を後ろから通り越して
翔太くんの隣に行った女性がいた。
私はその会話を聞いた時、頭の中が真っ白になった。
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翔太side
俺はこの間あなたを大学に送って行った後、
まさかの事態に遭遇する。
俺が事務所に到着し中へ入ろうとした時、
と言って知らない女が話しかけてきた。
こいつ怖い。だけど、あなたにも迷惑をかけたくない。だから俺は、
と言ってしまっていた。バカだ。
そう言ってどこかへ行ってしまった。
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そして俺は仕事を終え、夕方家まで歩きで帰っていた。そうしたら嫌な予感がして、
でた、こいつだ。
異常に声がでかいなと思い周囲を見渡すと、後ろにはあなたがいた。
それが聞こえたのであろう、今にも泣きそうな顔をしている。
すぐにあなたのところへ行って抱きしめてやりたい。そう思っても、こいつの怖さで体は前に歩くことしかできない。
「ごめん、あなた。お前を守りたいんだ。」
♡×6
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。