第12話

2人だと
352
2020/05/22 02:56
前回の続きです
りょう先輩に優しくされて浮き足立っていたが、それはこの紙を私に貼り付けるための行為だったと知って恥ずかしくなった。

でも、考え方を変えると部活の準備をする人のご使命をりょう先輩にされたということ。

そしてこの紙はりょう先輩からのお手紙に過ぎない。


結局、この事態は喜んでいいことだと判定された



ただの紙きれごときにこんなに悩まされるなんて
私はバカだな…


授業が終わり、急いで更衣室に向かう。

素早く着替えて部室へ走る


自己ベスト更新レベルで早く部室に来れた。
部室の鍵は開いていて

誰がいるんだろ~と思いながら扉を開けるとそこには陽菜ちゃんがいた。
You
え!めっちゃ早いね笑
陽菜
そう~?笑
陽菜
今日のお昼にりょう先輩が教室まで来てさ
陽菜
部活の準備よろしくねって言ってたの
陽菜
だから早く行かねぇとぉ!と思ってさ?
You
そうなんだ笑
陽菜
あなたは走ってきたっぽいけどどうしたの?w
You
え、あ~
You
実は私もりょう先輩に言われてさ!
You
(言われてないけど)
陽菜
じゃあ私たちへの頼みだったんだねw
陽菜
1人で準備するんかなって心細かったからよかった~

陽菜ちゃんには直接いいに行ったのに私には紙きれ越し。

しかも、私が理科室行ってなかったら準備をしておくことを知らなかった。

そして、陽菜ちゃんの教室の隣は私たちの教室。なんですぐそこまで来て私には伝えてくれなかったんだろう。


私なんてどうでもいいのかもしれんなって
言い訳がいっぱい湧いてくる。
陽菜
私、倉庫開けるから!
陽菜
あなたはゆっくりしてて笑

部室は私1人になった。
ゆっくりしてるの訳にもいかないから

散らかっているタオルなど整頓することにした。

一段落ついて、時計を見るといつもグラウンドでみんなと喋っている時間になっていた。

だから、誰か来るかなって少し楽しみに待っていた
するとドアの外から声が聞こえて
緊張が私の全身を通った。
りょう
おぉ、あなたちゃん
You
ど、どうも
りょう
あんな雑なメッセージでごめんね?
You
いえいえ笑

りょう先輩は私の隣に座って靴を履き替えた
隣にいるだけでも緊張するのに

今、この部屋で2人きりだよ??
りょう
陽菜ちゃんもちゃんと早く来てた?
You
あ、はい!
りょう
よかった~笑
りょう
あの子、直接言わないと分かってなさそうな顔するじゃん笑
りょう
だから昼休みに教室まで行ったんだけどw
りょう
ちゃんと準備に来るか不安だったんだよね笑
You
そういうことか!
りょう
え、なに?ww
You
何もないです
りょう
俺からあなたちゃんへの伝え方が雑だったから怒ってたの?w
You
違います!笑
りょう
ホントは怒ったでしょ~?
怒ったじゃない。これは……嫉妬。

明菜ならそう診断するだろう


嫉妬してたと分かると「この私が?」「また嫉妬してんの?」「それはさすがになくね?」って頭の中がもやもやした。
りょう
なんか動揺してるね笑
You
ぐ、グラウンド行きましょ
りょう
う、うん…



2人だけだと優しくしてくれて

でもこの優しさには何かがひっくり返るようなことがある。


そう思うとつらくなって
私の口からグラウンドに行こうって…
こうやってチャンスを逃してるんだよな…



グラウンドにはてつや先輩とゆめ先輩と陽菜ちゃんがいた。
りょう
おーい!何ぼーっと座ってんの?
てつや
あなたちゃん部室にいたんだ!
てつや
今日休みなのかなって心配してた
陽菜
今日もちゃんとあなた来るって言いませんでしたっけ?笑
てつや
そうだった?w
部室の時と違うにぎやかな感じの方が私は好きだ。
てつや
俺ら今日、あなたちゃんに限定でファンサやってたの
りょう
は?笑
りょう
お前らバカなのかな?w
ゆめまる
どっかでお互いに見つけたらファンサするって言う約束してたの
てつや
たまたま会ったよね~
You
しっかり受け止めましたよw
りょう
3人とも仲良すぎじゃん笑
りょう
一緒に帰ってるだけあるな~w
りょう先輩のその言葉には他人事のような雰囲気を感じた。

私はりょう先輩と仲良くなりたい。
でも、きっと相手はそんなこと思ってないのかも…


さっきの仲良すぎじゃん発言で嬉しそうな顔をしたのはてつや先輩とゆめ先輩だけだった。

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