〈あなたside〉
心当たりがある所をくまなく探し回ったが何処にもいない…
そう思い帰ろうと公園の前を通るとブランコに人影が見えた
俯いていて顔はあまり見えない
恐る恐るブランコに近寄る
オッパの顔を見て思わず黙ってしまった
普段あまり泣かないオッパの頬には涙が流れていたから
取り敢えずオッパも私も薄着だったので風邪を引かないように家に帰った
帰って直ぐにオッパの腕を掴んでリビングに連れて行く
さっき泣いていたせいか赤く腫れている
オッパは私と目を合わせると笑顔で
そう言った
だけどオッパは嘘つく時必ず鼻を1回触る
…今も
聞き出そうと思ったら私の声に被せて来た
…怪しいな
そのまま1人で話しながらオッパは出ていってしまった
オッパに何か起こったり…しないよね?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。