朝ごはんを持って雄也の部屋に入ると 、
虚ろな目でこちらを見ている
目は口ほどに物を言うっていうけど 、
本当にそうかも 汗
屈んで 、雄也に問いかける
力なく首を振る
よく見ると 、
肩で息をしていて とても苦しそう
適当に 、近くにあった柔らかいクッションを
雄也の背中に入れてやる
すると 、少しは良くなったのか
いつもの笑顔になる雄也
俺も 一安心
サンドイッチを 、美味しそうに頬張っている
今日の朝ごはんも 、
知念が雄也の為に考えてくれた
まぁ 、入院してから毎日
考えてくれてるんだけどね 笑
本当 、知念には頭が下がります
気管に詰まったのかな ?
と思い 背中をさすってやる
こくん と頷くも 、一向に咳は治まらない
激しい咳と一緒に 、
まだ消化しきれてない食べ物が口から出でくる
背中をさすり続け 、
容器を雄也の口に当ててやり
隙を見てナースコールを押す
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数分後 、髙木の意識が薄れ始めた頃
タイミング良く山田達が来た
雄也〜 と呼びかけると 、
辛うじて意識を保っている程度だ
テキパキと雄也の胸に心電図を付けていく
ピッピッピッ と一定のリズムを刻みはじめる
裕翔に指示され 、点滴を用意する
消毒液を塗り 、
慎重に針を刺して 、滴下速度を調整する
そう言い 、病室を出ていった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!