《クロノ視点》
僕はクロノ・レヴィス。16歳。レヴィス王国の王だ。天使は15歳で成人だから、もう立派な天使だ。
今、僕の国はとある国と戦っている。その国とはもう、8年も戦っているのだそう。相手は小国のくせに粘るもんだ。レヴィスは大国だ。勝つことなんてできないくせにやってくれるよ。まぁ、少しは暇潰しになるからいっか。そういえば、相手の国の奴らは皆、銀髪にラピスラズリみたいな綺麗な青い目をしてるんだ。敵軍の中に、上級貴族の僕より少し年上の女がいるみたいなんだけど、そいつはすっごい美人なんだって。天使軍の奴らが言ってた。でも、すごい弓術が上手いらしくて捕まえることができないんだって。捕まえたら知らせるようにって幹部達には言っておいた。まっ、情報全部聞いたら殺すんだけど。そうだ、敵の話をしていて思い出した。最近夢を見るんだ。銀髪の小さい女の子が僕になにかを叫んでいる夢。その子の顔はぼやけていてわからない。でも、その子を見ると、胸が痛くなるんだ。何故かはわからないけど。まっ、現実世界でだったら容赦無く殺すんだけどねー。敵なんだから。
使用人のレイナが僕を呼ぶ声が聞こえてきた。…ってもうこんな時間!早くしないと!
…ん?最後に戦っている国の名前を教えてほしいって?いいよ!その国の名前はね…
『ファリン』
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。