鬼ごっこでのこと……
シルクチームが鬼で、
あなた、マサイ、ショーゴが逃げ始めた。
それぞれ頭にGoProを付けている。
以下 ▽ あなた side
マサイもショーゴもすぐに
どこか行っちゃった。
ショーゴ運動神経良かったよね…なんて
目の前には人体模型があった。
ドアに手をかけたと同時に
足音が聞こえてきた
理科室の奥にある薬品室に行って
空いていた棚に隠れた
ガラガラガラ…
YouTuberらしく
コメントを残しながら
探していく
ガチャッ
あなたに気づくことなく出ていった
ガラガラガラッ
次についたのは保健室
YouTuber「「絶対なし!!」」
そんなことはつゆ知らず
ガチャッ と鍵をかけて
ベッドに横になった。
その後、
コメントを残す余裕もなく
うとうとし始めた。
大きく深呼吸をしながら
着いたのは……保健室
ガチャッ ガタガタ…
含み笑いの理由は…
運動場側の窓は施錠がされておらず
鍵が開いていた
中に入って耳を澄ませた
ゆっくりとカーテンを動かして
隙間から中に入った
しばらくあなたの寝顔を眺め、
二人分のGoProの電源を落とした
あなたのサラサラな髪を撫でて
床に座ってからベットに伏せて話しかけた
少し笑って
起き上がってから
んん〜っと背伸びをした
そのとき
伸ばしていた腕を下ろして
優しく撫でた
びっくりすることも、
慌てることもないあなたに
「変わってないな」と
感じたショーゴだった。
抱きしめたまま
見上げて問いかけた。
少しの沈黙のあと、
ショーゴの顔を見ると
少しずつ近づいてきて……
「あー、このままキスされる」
って思った。でも、動けなかった。
ガチャッ
ガタガタガタッ
ショーゴが急いで
あなたの口を押さえたけど、
間に合わなかったようで…
タッタッタッタッ
あなたを見るとまだ
俺が口を押さえてて、
少し涙目でこっちを見てた。
チュッ っと音を立て
あなたの頬にキスをして
ショーゴは離れていった。
それ以降
あなたはちょっと上の空だった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。