澄空Side
ある日、こんな声が聞こえた
「裏切り者」
「いなくなれ!」
「さっさと消えて」
「お前とは友達じゃないんだよ!!」
「はい、ざまぁʬʬʬʬ」
勿論、実際に言ってるのではない
幻聴だ
嫌な、あの頃の
ああ、またやった
リストカット...
何本もやってる
一生消えない傷がのこってる心の中に
何かを入れようとして
何も入ってない
でも、あるカケラが中に入った
それが、恋心
何も入ってない瓶の中に入っている
こんなにも、嬉しいんだな
でも...また、繰り返す
そんな声が聞こえた
大丈夫、大丈夫
心を落ち着かせた
シルクとポッキーが昌と私の間に入る
昌は去っていく
どうか、いじめてた奴らも、ああなりますように
でも、現実はそう甘くない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。