澄空Side
教室でシルクといると
いつも、どんな返事を返したんだろう
わからないから...返す言葉は素っ気ない
みんな、がやがやしながら教室を出る
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しばらくして川につく
石を選んで、川に投げる
バシッ バシッ バシッ バシャン!
案外、きれたことにびっくりする
何となく、恥ずかしいと思ってしまう
あ、これが恥なのかな...
結果...
シルク 6回
沁闇 5回
モトキ 5回
マサイ 5回
ポッキー 4回
ンダホ 4回
澄空 3回
自動販売機
何が好きだっけ?
あ、ミルクティか
川の近くで、遊んだのはいつぶりだろうか
急に、なにかが流れてくる
楽しかった、あの頃の思い出
嬉しかった言葉
泣きじゃくった橋の下
みんなで、笑ったあの場所
シルクが真冬の川に入って怒った事
心の中に流れ込んで、また、空っぽになってしまった瓶に
一つ入る
それは、一番最初に中に入ってなきゃいけない
『喜怒哀楽の情』
さっきまで、何も感じなかったのに
思い出した嬉しさから涙が零れる
色んなことが溢れ出しそうになる
遅いのを心配したのか、シルクの声が聞こえる
なんて言えばいいんだろう
振り返って
涙が零れているのに、笑顔で応える
シルクは、優しく涙を拭き取る
すると、また瓶の中に入ってくる
『シルクへの想い』
これから、瓶いっぱいになるまで入れるんだ
色んな欠片を
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。