第45話

病院
852
2020/11/13 13:17
浪川大輔
浪川大輔
良平!
木村良平
木村良平
あ、浪川さん。
そのまま浪川と愛花はあなたが運ばれた病院にやって来た。
鈴村愛花
あなたちゃんは?
先輩
あ、浪川さんに鈴村さん。
診断室からあなたの先輩が出て来ると浪川は真っ先に先輩に向かった。
浪川大輔
浪川大輔
あなた…………。
三木さんは?
先輩
大丈夫です。
クラッシュしたって言っても界人さんの時ほどじゃないし少し左手首を痛めただけで、病院も念の為に来ただけですw
名字に言い直した浪川を見て先輩は少し笑いながら言った。

浪川は良平を少し睨みながら見た。
木村良平
木村良平
いゃ……説明しようとしたら電話すぐ切れて……。
良平は愛花を見ながら言った。
先輩
木村さん、先生がお話あるそうです。
木村良平
木村良平
あ、はい。
鈴村愛花
私タクシー呼んどく。
木村良平
木村良平
あぁ。頼む。
愛花はタクシーの手配。
良平は診断室に入ると、浪川と先輩の2人だけになった。
浪川大輔
浪川大輔
はぁ……。
安心した浪川はベンチに座った。
先輩
どうぞ。
東京に着いて、そのまま来たんですよね?
浪川の目の前にコーヒーを持った先輩がいた。
浪川大輔
浪川大輔
ありがとうございます。
浪川が1口飲むと、先輩も隣に座った。
先輩
昔は…………。
ほんと……無茶な走りしかしなかったんですよ……。
先輩を見ると握り締めたコーヒーを見つめていた。
浪川大輔
浪川大輔
今の運転から想像出来ないです……。
先輩
祐人が無くなってからは、ほんと何かに取り憑かれたように勉強して。
運転も荒くて……。
あ……聞いてますか?
祐人の事……。
浪川大輔
浪川大輔
はい……。
先輩
祐人とは親友でした……。
同じサッカー部で……。
授業中にいつも外を見ているあなたが気になりだして、ちょっかい出し始めて……。
引退してからはよく、祐人とあなたと俺と当時あなたの友人だった嫁と遊んでたんです。

祐人が無くなってからは、無茶ばかりして俺も嫁も心配して。
浪川大輔
浪川大輔
何か……きっかけがあったんですか?
先輩
嫁が産気づいた時に地方でいなかった俺の代わりに、病院まで嫁を連れてくれたんです。
その時に息子を抱いたあなたが泣き出して。

その日から無茶な走りは止めました。
浪川大輔
浪川大輔
そうですか……。
先輩
浪川さん……。
あなたの事、よろしくお願いします。
浪川大輔
浪川大輔
はい……。
木村良平
木村良平
俺、手続きしてくるから。
お前は説教されてきなさい。
あなた

うっ……。

診断室から良平とあなたが出て来ると良平は受付けに向かった。
あなた

先輩……。
すいませんでした……。

先輩
いいよ。
俺も東京に戻ったお陰で息子の顔見れるし。
あなた

ゆうとくん、元気ですか?

先輩
うん。
またあなたお姉ちゃんと遊びたいって言ってたから。
また遊んでやって。
あなた

はい!

先輩
じゃ、俺は帰るから。
浪川さん、またよろしくお願いします。
浪川大輔
浪川大輔
はい。
先輩が帰ると、2人だけになった。
あなた

えっと……。

浪川大輔
浪川大輔
…………。
浪川は何も言わず抱き締めた。
浪川大輔
浪川大輔
すっごい心配した……。
あなた

ごめん……。

木村良平
木村良平
ごほん……。
抱き合っている2人を見ながら良平が咳払いをした。
木村良平
木村良平
骨も異常なしだけど、1週間から2週間はあまり動かさないで下さいだって。
浪川大輔
浪川大輔
そっか……。
浪川は逆にニコッと笑いながら言う良平が怖くて、あなたからそっと離れながら言った。
木村良平
木村良平
さて、どうする?
利き手ではないけど、暫くは使えないよな。
暫く俺ん……。
浪川大輔
浪川大輔
あ!
俺ん家来る?
あなた

えっと…………。

浪川大輔
浪川大輔
良平!
安心しろ。
彼氏の俺が。
彼氏の俺が面倒見るから。
木村良平
木村良平
なんで彼氏強調して2回言ったんだよ……。
家来れば、愛花も居るんだし。
鈴村愛花
私明日からまた忙しいよ?
タクシーが来たと教えに来た愛花が戻って来た。
鈴村愛花
明日から朗読劇のリハとか始まるし。
浪川さんの家の方がいいでしょ。
木村良平
木村良平
いゃ、愛花居ない時に俺いるし!
鈴村愛花
ほぅ。
じゃ、私が帰るまであなたちゃんはお風呂や着替えが出来ないと…………。
それとも良平がやる?
木村良平
木村良平
分かりました……。
鈴村愛花
って事で、あなたちゃんもそれでいい?
あなた

うん……。
よろしくお願いします……。

あなたは恥ずかしそうに浪川にお辞儀をした。
その後2人はタクシーに乗り、浪川の家に向かった。

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