第32話

誤解
738
2020/11/03 01:32
浪川との事があり1ヶ月立った。
先輩
あなた!
お客さんだよ。
あなた

良平?

先輩に言われ振り返ると良平がいた。
木村良平
木村良平
よ。
あなた

どうしたの?

手袋を外しながら良平に近寄ると先輩が「会議室使えば?」と気を使ってくれたので、会議室に向かった。
あなた

はい。
コーヒー。

木村良平
木村良平
ありがとう。
あなたが出してくれたコーヒーを良平が1口飲んだ。
あなた

で?
どうしたの?

木村良平
木村良平
あぁ。
浪川さんと愛花の事なんだけどな……。
あなた

……。

浪川の名前が出るとあなたもコーヒーを1口飲んだ。
木村良平
木村良平
昨日、現場で浪川さん待ち伏せしてて。
謝って来てさ。
あの日、泊めたのは事情があるって。
良平は愛花が襲われ、浪川が落ち着かせる為に家に泊めたと話した。
あなた

そっか。

木村良平
木村良平
それに浪川さんは……お前には話そうとしたらしいんだ。
でも、良平ごめん。
俺泣かしちゃった。
って。
あなた

……。

木村良平
木村良平
浪川さん……お前に会いたがってる。
連絡取れないからって、渡してくれって。
良平は鞄から紙を出すと机に置いた。
木村良平
木村良平
キラフェスのチケット。
浪川さん……待ってる。
あなた

……いらない……。

木村良平
木村良平
あなた……。
あなた

私は……もぅ……無理だよ……。
浪川さんといると愛花ちゃんがチラつくの。
デートしても愛花ちゃんともしてたのかなって。
思っちゃうの。
もぅ……辛いよ……。

木村良平
木村良平
わかった……。
でも、これは置いてくから。
良平は鞄の持つと「そろそろ行くな」と立ち上がった。
木村良平
木村良平
俺、浪川さんと付き合い長いけど。
お前と居る時の浪川さん見た事無かったし、今の落ち込んでる浪川さん見るのも見た事ない……。

また連絡するな。
良平はあなたの髪を撫でると出て行った。

あなたは暫くキラフェスのチケットを見つめていた。

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