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第9話

あなた

あ、ちょ、もう!

後ろからやってきたのは、野球帽を被った男子。白いユニフォームは所々砂で汚れ、真っ黒に日焼けした顔を緩め、こちらに、というよりは隣のあなたに手を振って走って行った。反対に、隣の彼女は頬を赤く染め、その男子の後ろ姿を見つめていた。
あなた

はあ、もう…ほんと…、意味分かんない

瞳を潤ませ、嬉しそうな顔を隠そうとしているがバレバレだ。
osmn
今のが例の彼なん?
あなた

へ?あ、あー…

気まずそうに目を泳がせるあなた。言わなくたって分かる。ぎゅっと胸の前で握った手や、前髪を直す仕草も、俺は全部それが何を意味するのか知ってる。毎晩のように悩み相談室が俺とあなたのチャットアプリ内開催され、もっぱらその悩みの中心はあの男子のことだったから。
あなた

まあ…うん。そうだよ

あなたはあの男子が好きなんだそうだ。
あなた

なんかさ、野球してるところ?とか、格好良いんだよね

osmn
へー。あとは?
帰り道にファストフード店へ寄った。溶けかかったコーヒーを、何度もストローでかき混ぜる。
あなた

意外と勉強もできるし…あ、でもねー、数学は苦手って言ってたかな。私もあんまり得意じゃないけど

どうでもいい情報ばかりが耳に聞こえてくる。あなたは何の教科が得意なん?知ってるで、英語やろ?将来は英語を使って、世界中を飛び回る仕事がしたいって言うてたもんな。学年考査も英語の試験はいつも上位やし、留学しようか迷っとることも知っとるで。逆に嫌いな教科は?確か歴史が苦手やったよな。俺は得意な方やから、教えたこともあるけど、ほんまダメダメやったな。なあ、あなた?この事、あの男は知っとるん?俺はこんなに知っとるのにな。
あなた

あと、手がね…やっぱり男の子だなって…がっしりしてて、す、好き…かなー…

コップを握っていた手を思わずテーブルの下に隠す。筋張った手に長い指。そうか、あなたはそういう男らしい手が好きなんやな。俺の手も、そう言ってくれる?なあ、俺はあなたに聞きたいことがいっぱいあんねん。言いたいことも。けど、知ってることも沢山ある。それなのに、なんであの男なんやろうな。理由は知ってる。俺がこんな格好やから。
あなた

ごめん、そろそろ帰ろっか。そういえば、オスマンってあまり恋愛の話しないよね?好きな子とか、気になる子とかいないの?

おるで、好きな子。