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第43話

あなた

手、…あったかいね…

この熱は、あなたが感じていい熱ではない。男が男を殴り、ただ熱を持っただけの男の手だ。怒りに任せて殴り続けたこの手は、決して彼女が熱を感じるために握っていいものではないのに。ふやふやと溶けたような、安心した表情で握られ、ただただ困惑した。
あなた

すっごく…怖かった…ほんと…

俺の手にこつんと額をあてる。
osmn
ご、めんな…
あの時、意地悪せんともっと早くあの空間から出てたらよかった。
あなた

謝らないでよ。オスマン、全然悪くないじゃん

俺が悪いんやで。俺が、全部。全部、全部、全部俺のせい。
osmn
…ゾムには言いたくなかったん?
こくっと頷く
あなた

余計な心配、かけたくないし。…それに、こんな話ゾムにしたくなかった

なんで?どうして?それはゾムが男やから?ゾムに「胸触られた」って言いづらいもんな。当たり前やんな。俺は女やから、女の格好やから言えたんやろ?
osmn
…そっか…
ずっと、女であることに違和感を覚えていた。俺は男なのに。なんで男なのに、女子トイレに行かなあかんの?女性用の制服を着なあかんの?もう、こんなの嫌だ。そう言ってスカートを脱ぎ捨ててやりたい日が無かったわけではない。それなのに、今はただただこの服装に感謝した。俺はあなたの友達として信頼され、こうして隣にいてやれることに。スカートの裾をぎゅっと握り、「帰ろっか」とあなたを誘えば、彼女は「うん」と返してくれる。
あなた

オスマン、ありがとう

osmn
…ええよ
帰り道、あなたが見上げながら礼を言う。真っ赤な太陽が彼女の髪を照らして、少し赤味を帯びていた。
あなた

オスマンがいてくれて本当に良かった

バイバイと手を振るあゆ。




次の日、彼女の口から聞いた言葉に、俺はただただ絶句した。
あなた

私、ゾムと付き合うことにしたんだ

なんで俺はこんな格好なんやろ。二度目の拳は、自分の部屋の壁にぶつけた。