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第20話

彼女のような色っぽい女性になりたい。

そんな彼女が今、その緑の瞳に何を映しているのかとても気になった。

*side os*

高校の思い出は一生もの、か。あなたがそんなこと言うてたけど、俺は早くこんな生活を終わりにしたくて、卒業式までをカウントダウンしていた。卒業したらこの家を出る。そう心に誓っていたから。
あなた

スポーツテスト結構怠いねー

ジャージに着替えて、体育館へ向かう。あなたがジャージの半ズボンに学校指定のポロシャツの裾を入れながら言う。
あなた

オスマンはいいよね、スポーツ得意だから。運動部からお誘い来ない?

実のところ、あなたの言う通り運動部から誘いは来る。バレー、バスケ、陸上部。その全てを断り、俺が書道部に居続ける理由は先生との約束があるから。
***
オスマンさん、ちょっといいか?
この高校に入学して一週間経った頃、担任の先生に呼び出された。放課後、理科実験室へ先生と共に入った。少し幅のある実験テーブルを挟み、俺と先生が向かい合わせに座る。
俺、教師って何十年かやってて、まあまあ色んな生徒、クラスを見てきたんだよ
先生は笑顔を携え、テーブルに身を乗り出しながら話し出した。
いじめもあった、犯罪もあった、オスマンみたいな…ってのは少し違うか。自分の性別に悩んでる生徒もいた
無理に作ったような笑顔を貼り付け、次の言葉を繋ぐ。
悪いことばっかりじゃないさ。生徒が成人した時は嬉しかったし、生徒同士で結婚した奴もいたさ。子供が出来て、見せに来た生徒もいたな…別ればっかりじゃなく、出会いだってある。それが楽しくて教師してんだよ、俺は
一拍呼吸を置いて、「前置きはこれくらいにするか」と先生が真面目な顔をする。
お前の事情は聞いてる。なんていうかあれだな…お前がご両親を慕ってるなら申し訳ないが、気の毒だな
先生の言いたいことは分かる。俺はただ俯いていた。

俺が女装をしているのは、父さんがそう言うからだ。

今住んでいる家は、父さんが継いだ家だ。この辺の地主をしていて、歴史は古くかなり昔からこの土地を管理していたらしい。だから、老人は俺の家の前を通る時に必ず頭を下げていくし、季節の野菜を届けてくれる人もいる。

だから野菜、米に困ったことはない。さて、俺が女装をしている理由。それは父さんの考えが関係している。男は両親に盾突く。成長すれば、親より力が強くなり、身体も大きくなる。制御しきれなくなる前に、女として育てればいい。