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第17話

あなた

前髪鬱陶しくないの?

zm
切りたいけど、時間ない。部活しとるし
あなた

こうさ、ちょきんって…横一列に切るだけでも違うと思うよ

自身の前髪を切る真似をし、ゾムに提案する。
zm
俺も美意識くらいあるわ。なんでぱっつんにせなあかんねん
今日のためにと気合を入れて整えた私の前髪を、がさがさと乱暴に撫でるゾム。
あなた

あ、ちょっと!

zm
ええやん、可愛い可愛い。さっきより良くなったで
乱された前髪を見てゾムが笑う。何すんのと言い返そうとしたが、実行委員会の「整列してください」の声がタイミングよく入ってきて、その言葉は喉の奥に戻ってきた。
あなた

行け行け、ゾムー!

地面に裏返しになっているカードを拾い、ゾムが観戦している生徒の方へ走っていく。その観戦席は一年生の席だ。

何かを叫んでいるようだが、ここまで聞こえない。叫ばれている周辺の生徒たちは、キョロキョロと辺りを見渡し、声をかけあっている。既にトップは折り返し地点へ向かって走り出す。ゾムの方は、少し背の小さな女の子が恥ずかしそうにゾムの前へやってきた。

その女の子にカードを見せ、女の子が頷く。ゾムが手を差し出し、女の子はその手を握った。見るからに運動部ではなさそうな、身体の細い女の子はゾムに引っ張られながら折り返し地点へ走る。女の子を多少気にしながら、ゾムは少し遅めに走る。


トップは既にゴールをし、ゾムより後ろにいた一組の人は、体育の先生と手を繋いでゾム達を抜かした。恐らく一組の人が引いたお題は、体育の先生だったんだろう。

これはラッキーだ。それから、四組の人も椅子を担いでゴールした。四着でゾム達がゴールテープを切る。カードを係の生徒に見せ、女の子に何かを尋ねていた。女の子は息を切らせている様子で、胸に手をあてながらゆっくりと呼吸をする。

その子はコクコクと頷き、その場を去ろうとしたがゾムに引き留められた。ゾムが手を差し出し、恐る恐るその手を女の子が握る。背中を向けて観戦席に戻る女の子の肩をとんとんと叩き、送り出した。

それから、前髪を止めていたゴムを乱暴に取ってポケットにつっこむと、その場に腰をおろして顔を下げていた。あれは、相当悔しかったんだな。
モブ
次は二年女子、並んでくださーい
言われた通り、横一列に並ぶ。左から三番目が私だ。ピストルの乾いた音が鳴り響き、私達は一斉にスタートした。数メートル先のカードに手を伸ばした時、感覚的には遅い方だったと思う。カードを勢いよく捲った。