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第21話

そうすれば自分に盾突くことはなくなるだろう。

父さんの話をしよう。父さんは姉が二人いる、末っ子だった。

母さんの話によると、父さんの姉二人は自由奔放な人間だったらしい。
そんな姉二人に、父さんの父さん、つまり俺にとっては祖母にあたる人は何も言わなかった。でも、祖父は違った。


由緒正しきこの家の人間として、節度ある行動をしなさい。父さんはそんな姉二人が怒られる姿を見て育ったので、反抗期という反抗期を迎えることなく、祖父の言うことをよく聞いて育ったそうだ。

そしてこの家を継ぎ、俺が生まれた。気が付いた時には俺は女の格好をさせられていて、女として扱われていた。
「なあ、なんで俺は男なのにスカート履くん?」
と幼心に母さんに聞いたことがある。母さんはさっと血の気が引いたような顔をし、「絶対に父さんの前で言わないで」と鬼気迫った顔で言ってきた。その顔が怖くて、俺はこくこくと何も言わずに頷いた。


ある日、日曜日の朝。毎週楽しみにしていた戦隊物の番組を見ていた。
父さんが起きる前、母さんがこっそり「内緒だよ」と言って見せてくれた。俺と同じようなスカートを履いているピンクレンジャーよりも、興味があったのは青レンジャー。

いつもクールで、たまにリーダーである赤レンジャーと喧嘩をすることもあるが、その冷静さがとても好きだった。その日はとてつもなく熱い展開で、青レンジャーが敵に捕まった赤レンジャーを救いに行くところだったのだ。いつも喧嘩ばかりしているが、仲間は見捨てない青レンジャー。

そして、その助けに「待ってたぜ!」と言って笑う赤レンジャー。いつもは中心にいる赤レンジャーの代わりに、青レンジャーがセンターだ。俺は立ち上がり、テレビの前で変身シーンの真似をしてみた。

手を腰にあて、もう一方の手を変身ベルトのあるへその下あたりにタッチし、ぐるっと大きく手を回す。そして決め台詞まで言ったところで、自分の後ろでひんやりとした空気が流れたような気がした。何事だろう。
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あ、…とうさん…
そこにいたのは父さんだった。俺と同じ糸目にも関わらず、うっすらと緑色の瞳を見せ、「今、何してたんや」と聞いてきた。母さんが、「違うんです!これは、」と理解を求めようとしたが、母さんの頬を平手打ちして床に伏せさせた。

起き上がらない母さんに駆け寄ろうとすると、頬に衝撃が走る。俺も母さんと同じ目にあったんだ。じんじんと痛む頬を押さえ、「立て」と言われたので立ち上がった。