side:佐藤
林「 いやだからと言ってなんで俺の家なん 」
『 家に帰りたくない 』
大西が出て行った空気に耐えられずわたしも
出て行ったけど 、どうせ家に帰ったって西畑が
絶対押しかけてくるから真鳥の家に避難した 。
簡単に事情を説明したら入れてくれた優しい ((
林「 大吾と喧嘩して気まずいから
帰りたくない 、でほんまにあってるん?」
『 合ってる合ってる 』
林「 … 」
『 … 』
林「 … 」
『 ……… レッスンサボった 、』
林「 なんで?」
『 これ以上 、練習すると売れるから 。
売れるとみんなわたしの前から消えてくもん 、
だったら練習しないで売れない方がええし 、』
林「 あなた 、」
『 わかっとる 、そりゃデビュー
したいしもっと踊りたいし歌いたい 。
でも怖くて足がすくんで動かなくて 、』
林「 … うん 」
『 っもう 、どっちの道に
進めばええのかわかんなくて 、』
林「 … それを 、解決するのが仲間やろ?」
『 … 』
林「 ほれ 、きっと
今頃探しとるから行ってき!」
真鳥にも無理やり家追い出された 。くそっ 。
あー 、今頃きっと探してる ……… か 。
だって藤原怒ってたやん絶対探してへんもん 。
もう嫌や 。逃げたい 。軽くなりたい 。
そう思っててると 、頭のつむじに
ポツンッと何かが当たった 。
『 …… さいっあく 、』
その途端ポツポツポツと降り始めて
ザーザーのスコールが始まった 。雨だ 。
家まで帰るか 、どうするか 。
ふと 、目に止まったのは懐かしい公園やった 。
… よし!家まで帰るのめんどいし雨宿り決定!
少し小さくて丸いドームの中で
雨宿りをすることにした 。
それにしても 、急に眠気襲ってくるなあ … 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。