side:佐藤
『 … 関西ジャニーズJr.って 、
面白くなけりゃダメで 。
見た目が良くなきゃダメで 。
空気が読めなきゃダメで 。
頭が良くなきゃダメで 。
ほぼ完璧の状態じゃなきゃ前に出れないほど
とっっっっっっっても過酷な場所なんです 。
そんな中に 、小学生から大人までいて 。
関ジャニやWESTがデビューした時、
選ばれなかった人はずっと後ろついて
まわって主役を目立たせなきゃダメで 。
私は何度もそれを経験してきました 。
東京で誰かがデビューした時も私だけバックに
呼ばれたこともありました 。悔しい思いをした人
に譲ってあげたかったけど、それが人生だから。
仕方ないから。って我慢してきましたっ 、』
声が震えて思うようにうまく喋れへん 。
標準語ばっか喋ってて吐きそう 。
でも 、でもそんな弱い自分に打ち勝たなきゃ 。
いつまでも守ってられてばかりじゃダメやから 。
『 … 何度か薄っぺらい友情が壊れかけたり
寂しさに耐えられなくなったりもしました 』
紫耀と廉と柊真がいなくなった次の年は
ほんまに大変やったなあ 。
何度もこれでええんかってぶつかりあった 。
紫耀と廉と柊真が恋しくなって
一日中涙を流しながら踊ったこともあった 。
『 出来るだけ炎上は控えたくて 。
ファンのみんなに好かれるようにしなく
ちゃって思って無難な事しか出来なくて。
自分なにしてるんだろって毎日嘆きました 。
小さい頃は東京との差に気づかなくて 。
偉い人に「 平等だよ 」って言われながら
頭を撫でられて、嘘を信じ切ってました 。
東京もこれぐらい仕事が少ないんだって
思い込んでました。事務所に反抗なんて
あの時は1ミリも考えてへんかったっ 、。
今は … " 調子に乗ってでしゃばった
火をつけ回る異端なスター " って汚名
つけられても良いからみんなのために
何かしたいって思うようになりました 。
もう誰も同じような思いをして欲しく
ないって思うようになりました 。
関ジュを焼け野原だなんて絶対
言わせないようにしたかったから 、、、』
関ジュはもう焼け野原じゃない 。
もう二度とそんな言葉言わせない 。
自分らで輝いて見せるんやって 。
西畑と 、大西と 、向井と 、室と 。
メインの5人でそう誓ったから 。
『 失敗なんてもう何万回も経験しました。
そのせいで何万回も涙を流しました。
なにわ男子で売れてくのもなんだか
怖くなって涙を流しました 。
なにするにしても涙しか出てきませんでした。
売れていくにつれて売れてない子たちが
可哀想って思うよりかは羨ましいって思う
ようになって。鏡に写る自分が怖くなりました。
関ジュにいたら幸せだって維持張って東京とは
関わらないようにして。でもみんな売れるために
東京行っちゃって悲しくなって1人で泣いて。
だから今回決めたんです。東京のこともしっかり
知った上で 、関ジュのことをよりいっそ好きに
なろうって。東京も努力してる。関西も努力
してる。だからどっちの良さも知りたくなって。
…… そして 、
【 関西ジャニーズJr.がやっぱり大好きなんだ 】
って胸張って言えるようにしたかったんですっ … 』
東京のことはこの9日間で随分分かった 。
人が多すぎて目立たないとデビューできへん 。
みんながみんな個人で頑張ってる 。
… たしかに東京なりの良さは充分にある 。
けど 、、、だけど 、私は ……… !!!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。