無料ケータイ夢小説ならプリ小説 byGMO

第10話

9.





とっくに日が登っているのに


ベットの上で気持ちよさそうに寝ている北斗


今日は一日中お休みらしい


いっつも仕事で大変そうだから今日は好きなだけ寝かせてあげよう


綺麗な寝顔を見ながらそんなことを思い


何となくベランダへ出る


いい天気だ


涼しい風が吹けば


バサッ


と服がなびく


ものは触れないくせに


風の感覚や匂いははっきりと分かる


どうなってるんだ


ベランダから顔を出し下を覗くと遠くに地面が見える


今思うとここから飛び降りたなんてすごいことをしたな


と、自分を褒めたくなる


自殺したことが正解だったか、不正解だったか、


どっちなのか、と聞かれれば


圧倒的に正解だろう


もうあんな日々を送らなくていいのだ


朝から嫌で嫌で仕方がないぐらい行きたくない学校にわざわざ足を運ぶ


そんなに行きたくないなら行かなければいい


なんて、言われるかもしれない


だけどいじめなんかで不登校なんて絶対に嫌だった


どこか負けた気分になるようで怖かった


だけど、今はどうだろうか


不登校どころか命まで捨てている


いじめ"なんか"で


あいつら"なんか"のために


だけど私にとっては


「なんか」では済まされないぐらい辛かった


思い出せば出すほどこんなに弱い自分が嫌いになる



『やっぱ、死んでよかったのかな、』



そんな問いかけに返事なんて返ってくるはずもない



「やばぁ!まじうけるんだけど」

「それな!」



聞き覚えのある声だ


大っ嫌いな声


世界でいちばん怖い声


勝手に体が固まる


キャッキャッと朝からうるさいぐらいの声で笑いながら歩いてくる3人の女子高校生達


ありえなかった


自分がいじめたやつが死んでいるのに


何も変わっていないこと


相変わらず校則違反の身だしなみに


常識を知らない騒ぎっぷり


私が死んだところで何も変わっていなかった


彼女達には遊び道具が1つなくなってしまった


ぐらいの感覚なのだろう


じゃあ、私が命まで捨てた意味はなんだ


答えは、「無意味」


だった。