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第17話

16.



北斗side









『俺も幽霊になってみたいなぁ〜』



ソファーの上でボソッとそんなことを呟く


誰に言っているわけでもなく


気づけば口からこぼれる


ふわふわと過ごすあなたを見ていると


たまにそんなことを思ったりする


もちろん他の理由だって沢山ある


幽霊になってあなたに触れることが出来るのなら


なんて考えては


何を考えてるんだ


と、自分に言い聞かせる


でも、


それでも、たまにほんとに思う


俺も幽霊になって


今にも消えそうなあなたを抱きしめてあげられたら


なんて、


だけど今の俺にはそんなことを思うばかりだ


思うだけで終わるんだ



「絶対だめだからね」



シーンと静まり返った部屋に


ツンと響く声


あなたの方をチラッと見れば


真剣な顔と目が合う



『ふはっ、冗談に決まってんだろ』

「嘘つき」

『嘘じゃねぇーよ』

「わからないわけないじゃん」



そう言うと俺の目の前に座り


真剣な顔で俺の目をじっと見つめる



「北斗は絶対に死んじゃだめだよ」



目をそらさず


訴えかけるようだった



『な、んで?』



あなた言葉に対して


「なんで」なんて言葉を返すのは


相当おかしなことだ


「当たり前でしょ」なんて言って立ち上がると


棚に置いてある雑誌や並べてあるCDをじっと見始める



「北斗にはさ、お友達も、家族も、先輩も後輩も、みーんないるでしょ」

『それはあなたも同じじゃん』

「うん。同じだよ。」

『じゃあ、「でもね、」』

「ひとつだけ違うところ、」

『なに』



くるっと振り返ると


また目が合う



「その人たちが私のことを必要としてるかしてないか」



その笑顔とは裏腹に


彼女が放つ言葉は俺の胸にグサリと


深く深く突き刺さる



「樹君達や、ジャニーズ事務所の先輩後輩、みーんな北斗のことをちゃんと必要としてる」



俺よりもはるかに幼い彼女には


教わることばかりだ


「そーでしょっ?」なんて、


俺の方を向いて笑いかけてくる


頷くのが正解なのか分からないまま


その場で固まる



「私はそうゆう人が一人もいなかったから幽霊になれたんだよ。」



静かなリビングに彼女の声だけが響く



「後悔してないしねっ」



ケラケラも笑いながらそう言う彼女は


俺に背を向ける


顔は見せようとしない


笑って誤魔化したって


泣いてることぐらい声だけでわかるのに


君はこうやって今日も


何もしてあげられない俺の胸を


締め付けるんだ













残り6日。