第12話

私を抱いて…
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2018/10/22 12:48
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ーーー

それ以来、わたしは歯向かったりしなかった。

ユウの言われるまま、お風呂へはいったり、ご飯を食べたり、着替えをした。

彼はいつもわたしにプレゼントを買ってきてくれた。



服や雑貨。


お化粧品やアクセサリー。


わたしの好みを知っているユウ。


すべて気に入った。


わたしは次第に心を許すようになった。
「ユウ」


「なに?」


「トイレに行きたい」


「うん。いいよ」


ユウがわたしを、キュッと抱きしめる。


「杏奈……可愛い」


「……うん」
ユウは逆らわなければ優しかった。


わたしが逃げ出さないとわかってからは、拘束具を解く時間も増えた。


トイレにも行かせてもらえるし、ご飯も食べさせてくれる。


わたしはこの生活がわりと気に入っていた。




ユウから求められても、受け入れるつもりだった。





けれど、


ユウは


ーーなにもしてこなかった。
ユウはわたしに触れたいのだとばかり思っていた。


わたしの気持ち良さそうな顔だとか、

彼へ夢中になるわたしを見たいのだろうと思っていた。



けれど、そうじゃなかった。


いつもユウは平然としていた。

余裕な表情で楽しんでいた。


好きだ、とわたしに言う。
けれど、わたしを抱こうとはしない。


普通なら捕まえたその日に無理やり抱くのではないだろうか。

一日中、そばでわたしを愛でるのではないだろうか。


それなのに、ユウは違う。


胸に触れさえもしない。


わたしが、それを願っていてもーー
ユウの艶めいた瞳。

透きとおった声。

凛とした姿。



そのどれもが、わたしを魅了させる。



あぁ、ユウ。

あなたに触れられたい。

もっと愛されたい。

縛られたままでいい。

それでもいいから、

わたしを抱いて

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ーー……

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