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2018/10/25

第16話

これからも監禁されていたい…
ユウが好き。

大好き。

だから、わたしは逃げない。

どこにもいかない。

わたしはあなただけのもの。
ずっと監禁されていたい


なんて思うわたしって


おかしい、かな
でも、


足りないの


そうでもしてくれないと


足りないの
ユウに監禁されて、一ヶ月が経った。

と言っても、実際は監禁されていない。



仕事にも行くし、ときどき自分の家へも帰る。
ユウと初めてセックスしたあの日、彼はわたしを自由の身にしてくれた。


「家に帰っていいよ」


彼はそう言った。

携帯も財布もすべて返してくれた。



正直、帰りたくなかった。

監禁されたままでよかった。

わたしをこころから愛してくれる人。

ユウがいれば、なにもかも失ってよかった。



すべてを捨てる覚悟があった。


「家に帰らなくていい。仕事もやめる」


けれど、彼はそれを許さなかった。


「そんなのだめだよ」


ユウは顔を横へ振った。


「なんで?」


「ぼくは、今の杏奈が好きなんだ。杏奈の魅力を奪いたくない。だから仕事はこれまでどおりつづけてほしい。監禁してたぼくが言うのもなんだけど」
ほんとうにその通りだ。

監禁した本人のセリフとはおもえない。


けれど、ユウがそれを望むなら仕方ない。


しぶしぶ了承した。




そして、久しぶりに自分のアパートへ戻った。



家に帰るとまず、職場に連絡した。


何度も頭を下げて謝った。


同僚からも何があったのかと訊かれたけど、笑ってごまかした。



「急に旅行へ行きたくなっちゃって。心配かけてごめんね」



ユウのことは一言も言わなかった。



翌日から仕事へ行った。


わたしは何事もなかったように働いた。


けれど、それは形上。


仕事が終わると、自宅へは向かわない。


ユウの家へ行く。
インターホンを鳴らす。


ドアが開いた。


愛しい人がわたしを待ちわびたように出迎えてくれる。


「おかえり、杏奈」


「ただいま」


わたしはユウに向かって微笑んだ。
ーー


家へ入るとユウはわたしに手錠をはめる。

そうすることで、安心するのだと彼は言った。

わたしはそれを受け入れる。



「今日も、ちゃんとぼくのもとへ帰ってきてくれたね」


「うん」


「可愛い杏奈」


わたしをやさしく抱きとめるユウの声。

色っぽくて、ドキドキする。



「ねぇ、今日の仕事はどうだった?」


ユウは今日の出来事を訊いてくる。

それに対してわたしは、ひとつひとつ事細かに説明する。

どんな小さなことでも報告する。


「そうなんだ。ありがとう」


報告したあと、彼はご褒美をくれる。
繰り広げられる甘い愛の交歓。


「ぁ、……ッ」


「ここ、触られるの杏奈好きだよね」


「んっ、……」


「気持ちよさそう。可愛い」


ユウの甘い声にわたしの身体は熱くなって、止まらなくなる。

なにもかも、ユウのものになった気がして満たされる。



監禁。

その言葉は今は違う気がする。

けれど、ユウはたびたびその言葉を使う。


「監禁してごめんね」


「いいよ」


「杏奈がいやだったらやめるよ」


「いいってば」


申し訳なさそうなユウにわたしは、必死にすがりつく。
ユウはいつもどこか不安そうだった。

ときおり強くわたしを求めることがある。

わたしはそれを必死で受け止める。

狂おしいほどの愛。

けれど、どんなに受け止めても、

彼の目から「不安」の色が消えることはない。



なぜ、そんな目をするの?

わたしはそばにいるのに。

安堵していいのに。

離れるつもりなんてないのに。




だから、監禁されてるつもりはない。


毎日ここに帰ってくるのもユウに繋がれるのも、わたしがそれを望んでいるからだ。


束縛されたい。


ユウに縛られたい。


わたしは、ユウを愛してしまった。




たとえ、それがストーカーだった人であっても関係ない。



わたしを愛してくれる。


大切にしてくれる。


それで、じゅうぶんだった。
愛している


なのに


なんで


足りないの?