第13話

実は
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2019/04/30 13:48
なぜか帰り道が同じ4人。

運命かよって思うけど、俺はそんなの信じる主義じゃないし。

で、ナヨン(呼び捨てになった)とヨファは仲良くキムチについて話している。
ヨファ
ヨファ
俺はペチュキムチ(白菜のやつ)がすきなんだよね。
あのシャキシャキ感がなんとも言えなく美味い。
ナヨン
ナヨン
えー、私はオイキムチ(きゅうりのやつ)かな。
味が染み込んでるのはとくに好き!
くだらないですね。
あなた

今日仕事なかったんだ。

会話がないのも気まずいし、ヨファのとこに入るのも悪いから

なんとなくサナに聞いてみた。
サナ
サナ
うん、本当はあったんだけどね。
少し悲しそうに言うサナ。
あなた

サナ
サナ
実はさ、今日は雑誌の撮影だったんだ。
ナヨンは元々OFFだったらしいけど。
あなた

そっか。

サナ
サナ
最近ポーズとか上手くいかなくてさ。
「ヤル気ないなら来るな」って
カメラマンさんに怒られちゃった。
あと体重も増えたしな。
屋上で見たときや普段で見るサナとは違い、すごく小さく見えてしまった。

灰色のアスファルトに落とされた視線には、俺になにか重なるようなものが見えた。

まるでクラスメイトの話を聞いてからのときの自分のような。
あなた

体重ね……。

サナ
サナ
うん。
重くなった空気を吹っ切るように、俺は言った。
あなた

気分転換にどっか行く?

サナ
サナ
え?
あなた

俺ね、モデルで上手くいかなくなったとき、
気分転換によく行く場所があったんだ。

サナ
サナ
そうなんだ……。
あなた

予定いつ空いてる?

サナ
サナ
今週の日曜日は空いてるけど。
あなた

じゃ、その日な。
俺が迎えに行くからお前は携帯だけ持ってこい。

サナ
サナ
お金……。
あなた

お前のためだからいい。

サナ
サナ
そ、そんな!
あなた

いいっつってんの。
俺家ここだから。

サナ
サナ
え、私の家隣……。
まじかよ。










家の配置

サナ あなた ヨファ ナヨン

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