「こんな世界」と嘆く誰かの
生きる理由になれるでしょうか
これは僕が今君に贈る
最初で最後の愛の言葉だ
街も人も歪みだした
化け物だと気づいたんだ
欲動に巣食った愚かさも
全てがこの目に映る
シアトリカルに手の上で
誰も彼も踊らせる
生まれた意味だって知らぬまま
刑骸化した夢は錆び付いてしまった
「愛をください」
きっと誰もがそう願った
「愛をください」
そっと震えた手を取って
「愛をください」
心を抉る
醜いくらいに美しい
愛を
「こんな世界」と嘆く誰かの
生きる理由になれるでしょうか
いつか終わると気づいた日から
死へと秒を読む
心臓だ
ねぇこのまま雨に溺れて
檻に融けたって構わないから
どうか どうか!
またあの日のように
傘を差し出し
笑って見せてよ
悲しく
人が紡ぎあげた欠片たちを
窓の外から眺め続けた
ドアを作ることもできなかった
それは幼い僕のプライド
「隠し事をしてました
傷つくのが嫌でした」
やっと築いた僕だけのお城は
余りに空虚で満ちていました
ある日現れたあなたは
僕が望むすべてをもってた
僕が積み上げたレンガを
容易く飛び越え
触って
気づいた
「悲しいくらいに冷たいね
ずっと寂しかったんだね」
怯えて
離れて
飾って
測って
焦って
乱れて
貶して
逃げたした
人が紡ぎ上げた欠片たちが
折り重なるのを
羨んでいた
孤独に作り上げた
僕の城
ドアを閉ざした
僕の
プライド
悲しい
標準差以内の人生
表情殺して腐った品性
ほら
ほら
気づけばまた
ただ
ただ
過ぎ行く日々
表現欲も
非凡な才も
漫然と生きてちゃ
なんもなんないの
ヤダ
ヤダ
アタシは
ヤダ
嘆けど変わらぬまま
受け入れがたい心情を
ねじ込むのが愛なんだ
アタシは
ジャックポットサッドガール
わかり合えぬまま
点と線でエンドロール
描く日々の中
誰にも言えない
まんま
抱えた想いこそ
価値があるんだ
探していた
答えだって
未来
みたいに
手の中に
愛されたい
一思いに僕を刺してくれたら
いいのにな
いいのにな
不条理な御託で刺してくれたら
いいのにな
いいのにな
いつかゴミに出したのに
袖口に隠していた生涯
燃やせぬまま
灰になれずにいたんだ
死にたい
消えたい
以上ない
こんな命に期待はしないさ
故に夢に魘され
塞いだ過去に咲いた世界
癒えない
見えない
傷ほど
きっと瘡蓋だって出来やしないと
僕は知っていた
悔やむと書いてミライ
自分を失った
名もない時代の集落の
名もない幼い少年の
誰も知らない
おとぎばなし
生まれついた時から
忌み子
鬼の子
として
その身に余る
罰を受けた
悲しいことは
なにもないけど
夕焼け
小焼け
手を引かれてさ
知らない
知らない
僕はなにも知らない
叱られた後の優しさも
雨上がりの
手の温もりも
でも
本当は
本当は
本当に
寒いんだ
死なない
死なない
僕は
何で
死なない?
夢のひとつも見れないくせに
誰も知らない
おとぎばなしは
夕焼けの中に吸い込まれて
消えてった
吐き出すような暴力と
蔑んだ目の毎日に
君はいつしか
そこに立ってた
話しかけちゃダメなのに
〈君の名前が知りたいな〉
ごめんね名前も舌も無いんだ
僕の居場所は
何処にもないのに
【一緒に帰ろう】
手を引かれてさ
知らない
知らない
僕はなにも知らない
君はもう子供じゃないことも
慣れないひとの手の温もりは
ただ
本当に
本当に
本当に
本当のことなんだ
やめない
やめない
君は何でやめない?
見つかれば
殺されちゃうくせに
雨上がりに忌み子がふたり
夕焼けの中に吸い込まれて
消えてった
日が暮れて
夜が明けて
遊び疲れて
捕まって
こんな世界僕と君以外
みんないなくなればいいのにな
みんな
いなくなればいいのにな!!!
知らない
知らない
声が聞こえてさ
僕と君以外の
全人類
抗う間も無く
手を引かれてさ
夕焼けの中に吸い込まれて
消えてった
知らない
知らない
僕はなにも知らない
これからのことも
君の名も
今は
今は
これでいいんだと
ただ
本当に
本当に
本当に
本当に
思うんだ
知らない
知らない
あの耳鳴りは
夕焼けの中に吸い込まれて
消えてった
一人の女の子の話
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