前の話
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大好きな友達が出来て、彼氏が出来て、甘酸っぱい青春をするのだと思っていた。
今日までは…
ピーンポーン
申し遅れました。私、臼井 桃香、高校二年生です。今日から最上になる…という訳の分からない状態になっています。
ちなみに、私の父親は小さい頃、お母さんと揉めて出て行った。
私が悪役のようになってしまったこの状況。息苦しいったらありゃしない。
それに、ちらっと見た時のお母さんの緊張深い顔。そんなの見たらダメなんて言えるわけがない。
お母さんは私の首がちぎれるくらい強く私を抱きしめた。
申し遅れました(2回目)。このチャラ臭い笑顔で手を差し伸べている男は、最上 彪斗。
なぜ知っているのかと言うと中学が同じだから。イケメン王子とか優しいしカッコイイなんて素敵とか、中学ではトップクラスにいる男子だった。
私は苦笑した。
彪斗は、人差し指を唇にあて、しー のポーズをする。むかつくけどイケメンだ。
そう。私は明日から高校生になる。こんなイケメンと兄妹なんて女子から逆恨みされたり変わりになんか渡してとか言われたりするやつ…でしょ
考え事をしているうちに私は自分の部屋にいた。(なぜか最上も)
私は枕を投げつけた。
犬みたい。私は第一そう思った。
ガチャ
本好きなのだろう。数える限り30冊もの小説があった。
最上は言葉を選びながらそう話した
なんだか急に元気がなくなった気がしたが、どうせ私の勘違いでしょう。
最上はニッコリ笑った。男に名前で呼ばれたことが久しぶりだったからか頬が染まったのがわかった。
彪斗は急に私に背を向けた。
声は元気だったが、なぜ背を向けたのか私は突っかかった。
おやすみって言って彪斗に撫でられた頭を抱えながら私は部屋に戻ってすぐベットに潜り込んだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。