前の話
一覧へ
次の話

第1話

今日から…
89
2019/02/09 07:27
大好きな友達が出来て、彼氏が出来て、甘酸っぱい青春をするのだと思っていた。
今日までは…
桃香
桃香
え…?今なんて?
桃香の母
だからねぇ?お母さん再婚しようと思うの。
桃香の母
それで、再婚する相手の方にも桃香と同い年の男の子がいるってわけね。
桃香の母
もう3回目だけど、聞こえた?
桃香
桃香
…聞こえたはず。ちなみに男の子の名前って…?
ピーンポーン
桃香の母
あ!丁度来たわ ♪
彪斗の父
お邪魔します。夜分遅くにごめんね
桃香
桃香
桃香の母
この方がさっき言ってた人よ。勇斗さん♡
彪斗の父
息子の彪斗だ。
彪斗
彪斗
こんにちは!
桃香
桃香
……も
桃香
桃香
最上いいいいい!?!?
彪斗
彪斗
あれ!娘って桃香ちゃんだったんだぁ ♪
申し遅れました。私、臼井 桃香、高校二年生です。今日から最上になる…という訳の分からない状態になっています。
ちなみに、私の父親は小さい頃、お母さんと揉めて出て行った。
桃香
桃香
お母さん……なんで
桃香の母
私が辛い時ずっとそばにいてくれたのが勇斗さんだったの。
桃香の母
それから10年くらい一緒にいるのよ。だから、この人となら幸せになれるって思ったわ
彪斗の父
突然の事で理解出来がたいとは思うが最後には桃香ちゃんの意見が必要なんだ。
桃香
桃香
私だけって…最上は…
彪斗
彪斗
俺は親父が幸せならそれでいいから
私が悪役のようになってしまったこの状況。息苦しいったらありゃしない。
それに、ちらっと見た時のお母さんの緊張深い顔。そんなの見たらダメなんて言えるわけがない。
桃香
桃香
まぁ、今まで女手一つで私のこと育ててくれたし…恩返ししなきゃね
桃香の母
…桃香…ッ…
お母さんは私の首がちぎれるくらい強く私を抱きしめた。
桃香
桃香
お、おがあざん。ぐるじい。
桃香の母
あっ!ごめんねっ!!
彪斗の父
ははっ。元気な親子だ
彪斗
彪斗
今日からよろしくね!最上 桃香ちゃんっ
申し遅れました(2回目)。このチャラ臭い笑顔で手を差し伸べている男は、最上 彪斗。
なぜ知っているのかと言うと中学が同じだから。イケメン王子とか優しいしカッコイイなんて素敵とか、中学ではトップクラスにいる男子だった。
桃香
桃香
思えばさ、中学同じクラスになったことないのになんで私のこと知ってるの?
彪斗
彪斗
それは桃香ちゃんもじゃーん!俺の名前知ってたでしょ?
桃香
桃香
それはあんたが有名だったからねえ
私は苦笑した。
彪斗
彪斗
俺はねー…ないしょ
桃香
桃香
ないしょ!?なにそれ子供
彪斗は、人差し指を唇にあて、しー のポーズをする。むかつくけどイケメンだ。
桃香の母
とりあえず!今日からみんな家族ですから、明日からの学校も家族として登校よろしくね
桃香
桃香
そうだったぁぁあ!
そう。私は明日から高校生になる。こんなイケメンと兄妹なんて女子から逆恨みされたり変わりになんか渡してとか言われたりするやつ…でしょ
彪斗
彪斗
…ちゃん!
彪斗
彪斗
おーい…
彪斗
彪斗
ももかちゃん!
桃香
桃香
ひゃっ!!!
桃香
桃香
びっくりしたァ…なに?
彪斗
彪斗
さっきからずっとぼーっとしてるよ?
彪斗
彪斗
どした?
桃香
桃香
な、なにも
考え事をしているうちに私は自分の部屋にいた。(なぜか最上も)
彪斗
彪斗
桃香ちゃんの部屋いい匂いする〜
桃香
桃香
は!?変態!!
私は枕を投げつけた。
彪斗
彪斗
そういえば俺隣の部屋使うから、なんかあったらすぐ呼んでね!
桃香
桃香
呼ぶことないし、まだダンボールの山なんじゃないの?
彪斗
彪斗
そうそう…今から部屋片付けるよ
桃香
桃香
手伝おうか?
彪斗
彪斗
え!!いいの!?!?
犬みたい。私は第一そう思った。
桃香
桃香
(なんか尻尾ふってそう)


ガチャ
彪斗
彪斗
じゃあ桃香ちゃんは、本並べてってくれない?
桃香
桃香
わかったー
本好きなのだろう。数える限り30冊もの小説があった。
桃香
桃香
最上、本好きなんだね
彪斗
彪斗
あー、うんー。なんか辛くなった時に見たらさ、元気出るって言うか。自分だけの世界観があるって言うか。…
最上は言葉を選びながらそう話した
なんだか急に元気がなくなった気がしたが、どうせ私の勘違いでしょう。
彪斗
彪斗
そうだ!もうさ、俺たち兄妹なわけだし、最上、桃香ちゃん呼びやめない?
桃香
桃香
じゃあなんて呼ぶの?
彪斗
彪斗
俺は、ももって呼ぶ
最上はニッコリ笑った。男に名前で呼ばれたことが久しぶりだったからか頬が染まったのがわかった。
彪斗
彪斗
ももは?俺の事なんて呼ぶ?
桃香
桃香
えー!どうしよう
桃香
桃香
そのままだけど…彪斗?
彪斗
彪斗
……
彪斗は急に私に背を向けた。
彪斗
彪斗
いーじゃん!それでいこー
声は元気だったが、なぜ背を向けたのか私は突っかかった。
桃香
桃香
本、終わったよー?
彪斗
彪斗
ありがと!じゃあ今日はもういいや!
彪斗
彪斗
明日学校だし、もう寝な?
桃香
桃香
…うん
桃香
桃香
おやすみ
彪斗
彪斗
おやすみ
おやすみって言って彪斗に撫でられた頭‪‪を抱えながら私は部屋に戻ってすぐベットに潜り込んだ。

プリ小説オーディオドラマ