前の話
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温かい笑顔で
そして温かい声で
私を呼ぶ耀太の声
そして私もにっこり笑い
耀太の名前を呼ぶ
こんな何気ない毎日が
当たり前だった
そして楽しかった
そしてとても大切だった
それに気づいたのは
7年後
毎日
毎年
一生
耀太の傍にいられると思っていた
でもそんな願いは叶わなくて
【テレビの音】
その中には耀太の名前も入っていた
同姓同名な訳じゃない
年齢も同じ
顔写真だって貼られていた
私はその日
泣き
泣き
泣き
泣き
とにかく泣いた
そこで気づいた
「私は耀太が好きなんだ」と…。
何故今ごろ気づいたのだろうと
ずっとずっと
後悔していた
生まれたときからずっと一緒だった
それから14年も経っていたのに
何故気づけなかったのか…
私はきっと
生まれたときから耀太のことが好きだった…。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。