第25話

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2021/08/01 11:19
















ある闇の中。



一点の光が、闇の中を彷徨った。
その光は闇が見えておらず、ただただゆっくりと風に身を任せているようだ。






俺は手を伸ばした。



光は俺の手を照らした。

優しく、あたたかく、やわらかく。








するとその光は目を覚ました。







「……オロチ?」






俺の手は空を切った。
俺は光を見つめると、光は「あれ、オロチじゃない、影オロチか。」と笑った。


まぶしかった。



愛おしい光に手を伸ばすと、光はゆらりと揺れる。







「……あぁ、お前は……」






少しずつ黒く染まりゆく光を見つめて俺は言葉を放つ。


だが俺の言葉は闇の中へと消えていく。
光は俺を見つめて、にこりと笑った。



心があたたかくなるような気がした。







ここは光が来る場所ではない。






俺は下へ下へとぐんぐん降りていく。
光から目を逸らして、暗闇へと。








ぽつり。








光が下へ落ちた。







「…」







安らかに眠っている光を俺は手繰り寄せる。






怖がらせないように、やさしく、あたたかく。










人生を全うしたきみの魂くらいは、抱きしめさせてくれ。






二度と離さないと





















これからずっと一緒だと

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