第7話

ヒーロー
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2021/07/06 10:04









俺がヒーローに憧れた理由。



それは本屋でたまたま見つけたガッツ仮面だった。
そりゃあもう、グサッと俺の心に刺さった。



ひとりでなんでもできるガッツ仮面に憧れた。



誰にも頼らずに、ひとりでなんでもできるガッツ仮面に。






「友達なんていらねえ。助けたけりゃ自分で助けろ」





他人より、自分の方が信じられるに決まってるじゃねえか。








………そう、思ってたのに。












ケータ「ちょっとウィスパー!ほんっと使えないなあ…」

ウィスパー「使えないってなんすか!!これでも私有能執事のウィスパーでございまs」
ケータ「あーはいはいすごいですねー」


ジバニャン「ほんとあそこのふたりは仲良しニャンねえ」



アイツはひとりじゃない。


仲間トモダチ】がいて、その仲間の力を自分の力にできる奴だ。

そんなアイツの背中は、俺なんかより……






俺なんかより、ずっとずっとかっこよくて、ヒーローみたいで…






こんな俺には、トモダチなんて…いるわけねえって、そう思ってた。


気づいた時にはもう、遅かったと思った。





フユニャン「?ケイゾウ、どうした?」


ケータ「おーいケイゾウ!ここの川、いっぱい魚がいるよー!」
ジバニャン「じゅるり…これを塩焼きにして食べれば美味しそうニャンね!」




ずっと隣にいてくれて、俺が突き放しても、ずっと一緒にいてくれた奴も。


俺の周りで、ずっと俺を見守ってくれた妖怪達も。







ヒーローを教えてくれた、あいつらも。







やっぱ俺は、視野が狭いなあ。






「おう!今行くー!!フユニャン、行こうぜ!!」








俺が、ヒーローに憧れた理由。











俺が、ヒーローとはなにかを見つけた理由。

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