第5話

ずっと
2,136
2021/07/04 04:54
⚠︎なんだろうこの駄作感
⚠︎さっきまでの回と打って変わってなんかすごいシリアスっぽいようで違う感じもします(?)
⚠︎まあ要素があるっつってもガチガチblとかそんなんないんで安心してくだs(((殴
⚠︎死ネタが少し含まれますが死にません…まぁ…見ればわかります(え)

そしてこれこそ自己満の小説(今までもそう)

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ある冬の日。


親友がこの世を旅立って、俺の前から消えてからどれくらい経ったのだろう。
俺は橋から川を眺めていた。

ゆらゆらと水面に映る太陽は揺れていた。


俺は親友がいなければ、ここで死んでいたんだな…と思うと、少しゾッとする。
でも、そのおかげでアイツに会えた。それは喜ばしいことだと思う。



猫が橋の手すりで寝ていた。俺は猫の背中を撫でながら川を眺めていた。

なあ、元気か?天国に行ってもちゃんとご飯食べてる?
大判焼きとかお萩また食べたいね。俺がそっち行ったら一緒に食べようよ。

俺は届きもしないことを心の中で唱えながら、ザーっと音を立てて流れる川を見つめていた。



すると。





猫「に"ゃぁッ"!?」





「!危ない!!」






起きあがろうと身体を起こした猫がふらついた。
ふらついた拍子に足を滑らせ、橋から落ちてしまう_…


俺は急いで猫の身体をキャッチするも、俺も急いだせいか身を乗り出しすぎて、猫を抱えたまま真っ逆さまと川へ落ちて行った。
橋から聞こえる悲鳴。俺を心配そうに、そして衝撃的なものを見ているかのような人達の目。


初めての感覚だった。
不思議と、全く怖くなくて。



なんだか、死に方が少しダサいななんて思った。






ああ、痛い。すごく痛い。叫びたい程に痛いよ。
でも、何故だか身体が動かない。喉も全く機能しないや。

幸い浅いところに落ちれた俺だったがその分衝撃も強かったようだ。

身体が冷える。がたがたと震える身体をなんとか落ち着かせようとするがその気力もなかった。
薄らぐ意識の中、俺は『死ぬのかな』とふと思った。



意識を手放す直前、腕の中から猫の鳴き声が聞こえた。











______
___











?「全員…ぶっ殺してやる…!」




目を開けると物騒な人が目の前にいました。
……いやなに急に。




「いやいやいや!俺!俺貴方に何もしてないよ!?」
?「……お前も、妖怪ウォッチをつけているのか…」
「!妖怪ウォッチのこと知ってるの?」






「ああ」と頷く目の前の人。
……誰だ、この人。

そう思っていると、「久しいな、小僧」という声と共にその人の体から黒い煙が空へと昇った。

アイツは…!





「空…亡…?」




たしかに俺らが倒した筈だ。
小さくなってタエを道連れにしようとしたけど山姥…じゃなくてツクヨミに浄化されたはずじゃ…


俺が思考を巡らせている間もどんどんと大きくなる空亡。
人に取り憑いて悪いことをさせる方法は変わっていないようだ。



…てかその前に。
俺、死んだ筈だよね?なに?空亡がいるってことは…ここは地獄なの?

え!?俺地獄に落ちるようなことしたっけ!?
やばい、身に覚えがない…これが一番ダメなやつじゃん…



空亡「…お前はもっと昔の世界の住人の筈だ。何故この世界にいる?」
「…え、っと…俺、橋から落ちて死んだところまでは覚えてるんだけど…ここって地獄なの?」




そう言うと空亡は心底不思議そうな声を発するが、「面白い」と言った。
いや、俺からすれば全くして面白くありませんけどね。

そう思いながら俺は取り敢えず猫又を呼ぼうとアークを取り出し、妖怪ウォッチで…

と思ったのだが。





≪ 只今猫又さんは呼び出せない場所にいるか_ ≫



≪ 只今河童さんは呼び出せない場所にいるか_ ≫



≪ 只今座敷童子さんは呼び出せない場所にいるか_ ≫






「全員呼べないじゃん!!!」


これ俺死ぬのかな…って俺もう死んでた…
いや、どっかの海賊王を目指す主人公の仲間の骸骨みたいなことは言わなくていいの!

なんて自分でボケツッコむ…これこそノリツッコミ…


俺は変なことを思いながら現実逃避をしていた。
…てかもしかして、俺今…


「結構やばくない!?」


下町シン、絶体絶命です。


空亡「安心しろ。お前にもう用はない。」
「え…で、でも、また空亡、妖魔界を侵食しようとでも思ってるんでしょ?それなら…」



空亡「…フッフッフ…まぁ、今は妖魔界だけでなく人間界も、だけどな」
「…そ、それなら、俺が止めてやる!」




「妖怪も呼び出せないのにか?」と俺に言ってくる空亡に俺は図星を突かれて黙り込んでしまう。
取り敢えず俺は今何をするのが正解か。

やっぱり役に立たないから見ていた方がいいのかな…
イツキもエンマ大王っていうのになって、世界を救ってくれる筈だ。


でも…




でも、それって逃げてるだけなんじゃないか。





「最後まで…投げねえ!」




俺はそう言葉を放つと、力が湧いてくるような、そんな気がした。
後ろから大きな影が迫っていると思ったら、そこにいたのは…

「…!スーさん…」



スーさんこと、軍神スサノオ。…またの名を、俺の父さん。
やっぱり守護妖怪は俺がどこに行っても力を貸してくれるんだなと嬉しくなる。


スーさんがいれば100人力だよ。



「ありがとう、スーさん!…いくぞ、空亡!」





スーさんが飛び込んでいくが、空亡の無数の手により全ての攻撃がガードされてしまう。
ここは俺が住んでた世界ではないから、スーさんが前に同志を呼んだがそれさえもいないのか…

俺はどうしようと焦っていると、スーさんは同志を呼び出した。


冷や汗が垂れた。


なんでだろうか、武者震いというのもした。



白虎「おう、軍神様じゃねえか!久しぶりだな…っと、空亡と闘ってるのか」
玄武「何故軍神様が此処に…と訊くのはコイツを倒してからだな」



若い白髪のお兄さんと、いかにも強そうな少し年季のある顔の人。
俺はスーさんがんばれ…と応援していると、魔の手が背後から迫っていることに気付かなかった。




スサノオ「!シン殿!!」




焦って【我が主】と呼ぶことも忘れているスーさんと、その同志。
急に高くなった目線と、どろどろと黒い感情が俺の心を蝕んでいく感覚。

気持ち悪い。俺は一生懸命力を込めて手を離そうとしたが力は一目瞭然だった。

スーさんや白虎さん、玄武さんも手を斬ろうとしてくれるが、空亡は他の手で回避した。
これじゃ、俺…!






…俺、足手まといじゃないかよぉ…






そう思って下を見ていると、ひとりの女の子と、ふたりの男の子、そして妖怪達が現れた。
ひとりの痩せ型の男の子は「白虎!玄武!」と叫んでいたので、友達かと思った。

だが、俺が気になったのはそこではない。


背後にいた妖怪の、あの白髪の長い髪の妖怪の隣にいる、金髪の…






「……イツ…キ…?」




目を見開いて俺を見る"イツキらしき妖怪"。
俺は流れ込んでくる黒い感情に心を蝕まれそうだった。

あの時の痛みが襲う。
あの時の、周囲の反応が襲う。

怖くて、誰も助けてくれなくて、寒くて、つらくて、いたくて…



あそこにイツキがいてくれたら……




そう思った瞬間、俺の心は綺麗に黒く染まったんだと思う。

心臓を鷲掴みにされた感覚、楽しかった記憶が抜き取られて行く苦痛。
俺の頭には闇で支配されていた。







………あれ、イツキって、誰だっけ…






あの大きな剣を持つ妖怪は誰だろう。俺の敵か?
俺を掴んでいる黒い太陽のような妖怪はきっと味方だ。俺を守ってくれているんだ。

そう思った時、大きな剣を持つ妖怪は俺の前に立った。


スサノオ「我が…主に手出しはさせぬ…!」


黒いオーラを纏った剣を持つ妖怪は俺を肩に乗せた。
俺は落ちないように肩につかまりながら、腕時計の力を全てこの剣を持つ妖怪へあげた。

なにもかも、壊れちまえ。



空亡「ほう…主が闇に支配されると守護妖怪も闇に染まるのか…これは使えそうだ…」



アキノリ「おいおい…なんだよあの妖怪!てか誰だよあの男の子!妖怪ウォッチつけてるし!」



そう嘆くアキノリ達の前に玄武と白虎が立つ。
神妙な顔立ちをした玄武は「これは大変なことになった…」と言う。

白虎も「勝算が一気に減ったな」と少し顔を顰めている。




玄武「軍神様はひとりで沢山の戦を勝って来たお方だ。…それが敵に回るとしたら…」
白虎「…あの男の子を斬れば多分治ると思うけどな」



そう言うと、ナツメは「でも…」と声をあげる。
あの男の子は絶対被害者だ。それを殺すというのは多少、…いやすごく気が引ける。

そしてこの白虎の意見に猛反対したのは妖怪探偵団じゃなかった。



エンマ「バカ言うんじゃねえ!シンは…シンだけは殺させねえ…!」





エンマ様が空亡へ立ち向かうが、スサノオが邪魔をする。
白虎と玄武はそれを見兼ねて、スサノオの相手をして、エンマ様は空亡の元へ。



___行くと思ったのだが。




トウマ「エンマ様、あの男の子のことになんであんな必死なんだろう」



スサノオの肩に乗る男の子を取り上げたのだった。
男の子はエンマ様の腕の中で色々な反抗を行うが、まあ元大王にそれは叶う訳もなく。

アキノリはトウマの質問に答えられずに、ただただ今見ている不思議な光景に目を凝らしていた。







エンマ「おい、シン…なんでお前がここにいるんだよ…おい、目覚ませ、シン」

「離…せ…ッ、はなせ、俺を…離せよ…っ」





エンマ「……おう、離してやんねえからな。お前がここに居る理由を聞かせてくれるまでは」


















*









「…えーっと、ご迷惑をおかけしました…」



ぺこり、と頭を下げる。
スサノオの姿じゃなくなったスーさんも土下座をする。

本当に申し訳ない…!!




エンマ「んで?なんでお前ここにいんだよ」
「実はさ…俺、橋から落ちて死んだんだよね、そこまでは覚えてるんだけど…」



エンマ「…はあ!?死んだ!?」




ナツメ「あ、あのー…」





おずおずと女の子が手を挙げる。
俺は「どうしました?」と訊くと、「あのさ、エンマ様と君ってどういう関係なの?」と訊く。

どういう関係って…





「親友?」
エンマ「言葉が少ねえ。…俺が人間だった頃の親友だよ」





妖怪探偵団「「エンマ様の前世の親友!??!!」」





「…え、イツキってそんなすごいの?」
エンマ「まあ…一応妖怪達の王様やってたしな…」





妖怪探偵団は信じられないという顔をしていた。
でも、ひとり。




アキノリ「すっげええ!!なあなあ、エンマ様って前世どんな感じだったんだ!?」
「え?えーっと、おはぎが好きだったよ。あ、あとスカしてた」
エンマ「おいシン後で覚えてろよ」




冗談だってって笑って言ったけど、イツキの目は本気そのものだった。
……これは俺やらかしたな。


そう思って、「ごめんね」と謝ると「まあいいか」とイツキの時と変わらない笑顔を浮かべた。




「ねえイツキ!どこか行かない?俺折角イツキに会えたんだし、遊びたい!」




そう言うと、イツキは「でも」と言葉を出すが、「いやいいか」と笑う。



エンマ「ちゃんと元の世界に帰れる方法も探すぞ」
「!うん、ありがとうイツキ!」










ナツメ「(エンマ様、あの男の子にすっっごく甘い…)」
トウマ「(あんなエンマ様の顔見たことないな…)」
アキノリ「(すっげー!!大物だ…!!)」






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