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ナツメ「ねぇ!ちょっと!大当たりでなさすぎじゃない!?」
トウマ「その辺のソシャゲよりひどい確率だね……」
シン「そしゃげ…?でも確かに!イツキが大当たりに覚醒エンマ出るって言ってたけど、それ以外出たことないや!!」
いや普通出ねぇよというエンシン(hshs)のカップリングはさておき、本当に最近大当たりの妖怪が出ない。
スペシャルコインを使っても、五つ星コインを使っても、最高が中当たり。
大当たりの大将ふたりやブシニャン、百鬼姫やふぶき姫等出る様子がない。
これはおかしい。
フミ「うーん…もしかしてトホホギスの仕業とか?」
ウィス(現)「いやーそんなのはいませんねー…てゆーかケータきゅんどこぉおおお!!??」
ジバ(現)「あぁ、ケータなら今日おれっちたちが寝てる間に出てったニャンよー」
そんな現代組の会話は無視して未来組とシンの会話は続く。
もしかしたらガチャが壊れているのではないか。コインが実は古びたコインなのではないか。等。
でもそれだと詐欺になるし、そもそもそんな詐欺は誰も得しない。
それにツチノコはいい子だ。そんなことする子じゃない。
みんなで悩みに悩みまくっていると、どこかから声が聞こえた。
ケータ「あれ?みんな!ガチャ引いてるの?」
そう訊くケータに、ナツメは苦笑いで答える。
ナツメ「うん。でも全然出なくて…土蜘蛛とか、大ガマとかさ」
「?それならガチャで当てるより直接会って貰った方が早くない?」
きょとんとした顔で言うケータ。
アキノリは彼の交友関係の広さに驚き、トウマはそれを尊敬していた。
ナツメは流石お父さん!!と安定のファザコンをぶちかましていた。
ウィスパーは頭を抱え、ジバニャンはいつものこととチョコボーにかぶりついていた。
フミちゃんは……まぁ別になんとも思っていなかった。
アキノリ「そういえばケータってガチャ引きに行く時いねーよなー」
ケータ「うん、色々な妖怪と約束しててさ…今日はふぶき姫達とお祭りに行ってたんだ」
シン「えっ!今夜じゃないのに?」
ケータ「うん!おおもり神社の近くにうんがい三面鏡がいるんだけど、そこをくぐればいけるよ」
「今度行こうね」というケータに「うん!」と元気よく答えるシン。
側から見ればただのかわいい友達関係じゃないか。
でも未来組にはそんなかわいい友達関係なんてどうでもよかった。
彼ら中学生は、頭の中にこんな仮説が出ていたのだ。
【ケータを誘って遊んでいるから出てこないのではないか】と。
トウマ「ねぇケータ。今日は誰と行ったの?」
ケータ「ん?えっと、ふぶき姫と、黒鬼もいたな…あと大ガマもいたよ!」
(((大当たりメンバーじゃねぇか)))
アキノリ「(これだな当たらない理由…)」
トウマ「(興味深いな…)」
ナツメ「(流石お父さんね!!)」
シン「俺リンゴ飴食べたい!!」
フミ「私は綿飴〜!」
ジバニャン「多分フミちゃんがそれ言えばフクロウ奢ってくれるニャンよ」
フミ「いやいや悪いよ…」
ケータ「(いやシンなんてエンマに頼めばなんでも買えるよね…シン強)」
シン「(ケータってカイラさんに頼めばなんでも買えるよね…?すごいなぁケータ!)」
大当たりが出ない理由と、ふたりの偉大な少年。
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いやなんだこれ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!