捏造妄想含みます
そしてBLあり。(シンイツ)
上記が嫌な方はブラウザバック。
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ある暑い夏の日。
俺は汗をかきながら鉛筆を握った。
母親には心配をかけたくないので『点数は良い』と伝えたがまっさらな嘘だ。
問1からわからない俺の頭は既に終わっている。
イツキ「シン帰るぞー…って、お前補習か…」
「そうなんだよ、だから先帰ってて…」
プリントの上から突っ伏していると、イツキは俺の隣の席に座った。
何事かとイツキの方をみると、イツキはくすっと笑ってから「手伝うぞ」と言ってくれた。
それがなんとなく嬉しくて、「ありがとう!」と感謝を言った。
「ここは?」
イツキ「ここはだな___」
そういえばイツキは学年一の成績なんだっけ。
わからない問題があっても、「こんな問題も」と煽ってくる訳でもなく教えてくれる。
自分で解けると褒めてくれるし…
こんな優しい性格でかっこいい顔面だからモテるんだなと俺はイツキの方を向いた。
夕日の光がイツキの肌や髪をキラキラと輝かせていた。
なんとなくざわざわしていたが、俺はそのざわざわを気にすることなく目の前のプリントを進めた。
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「終わったー!」
そう言って腕を上げると、イツキは笑いながら「やったな」と言ってくれる。
一緒に帰ろうと思って後ろのロッカーから鞄を取りに行って机に戻ってくる。
そして教科書を詰め込んでからイツキに「帰ろ」と一声かけて教室を出ようとした。
でも、くいっと服を引かれた。
「イツキ?」
イツキは顔を少し赤らめて、俺に目線を合わせないように右斜めを向いていた。
俺はそんなイツキに「どうしたの?」と訊く。
するとイツキは途切れ途切れに言葉を言ってから、顔をもっと赤らめて下を向いた。
イツキ「俺ら……今、二人っきりだよな…そ、その……そういうのは……」
そう言ってきたので俺はにこりと笑ってから、イツキと口付けを交わす。
するとイツキは顔を真っ赤にしてこっちを見てきた。
「でももう帰らないと先生来ちゃうから、続きは家でしようか」
イツキ「…っ、シンのあほ、ばか」
「う、…テスト俺ぎり40点だし…」
イツキは俺にぐんぐん近づいて来てキスをした。
それから顔をまた真っ赤にして俺を置いてけぼりにして帰っていくものだから、俺は笑いながらその背中を追いかけた。
ある、【夏】の日のことだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。