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第10話

【メールの始まり 5】
紗南
紗南
女子高生と同じ目線とか……気持ち悪い。何考えてるの?
都築先生
都築先生
あはは、そうですね。何を考えているのかわからないから、たくさん話をしたいんです。どうして学校に来なくなったのか。今、あなたが何を考えているのかとか
核心に迫られた話題を出されて、身構えてしまった。
でも、登校拒否をした私の家にまでわざわざやってきたということは、絶対にもう一度学校に来させようと説得しに来たに決まっている。
紗南
紗南
学校には行かないから
都築先生
都築先生
そうみたいですね。さきほど、お母さんから聞きました。絶対に学校には行かないと
先生は笑ってはいるけれど、さっきみたいな軽い笑みではなくなっていた。
私はその顔から逃げるように視線を泳がす。
紗南
紗南
わかっているなら帰って
都築先生
都築先生
それではなぜ学校に行かなくなったのか、理由だけでも聞いてもいいですか? 辞める辞めないは弥生さんの自由ですから
紗南
紗南
マジでそんなこと言ってんの?
都築先生
都築先生
えぇ。僕は教師ではありますけど、一人の人間の決断を無理強いして曲げさせるほど、えらくはありません。ただ、なぜあなたがこういう状況になってしまったのか。それが知りたいんです
私は先生が放つ言葉の一つ一つに開いた口がふさがらず、マヌケな顔をしてその真意を頭で必死に理解しようとしていた。
だって、絶対に「学校に来なさい」ということしか言われないと思っていたから。
都築先生
都築先生
こんなことになるまで気付けなかった僕が一番悪かったと思ってます。だから、せめて弥生さんが一人で苦しんでいる部分を少しでもいいから取り除いてあげられたらと……
紗南
紗南
余計なお世話だから!
もう聞くに堪えられなくて、先生の話を途中で遮った。
そして部屋の扉の前に行き、ドアノブに手をかけて扉を勢いよく開け、私は立ち上がった先生を見上げて睨む。
紗南
紗南
三分経ったから。帰ってください
都築先生
都築先生
あれ? もう三分ですか? 早いですね
紗南
紗南
私の中では三時間くらいの気分です
都築先生
都築先生
うーん、僕ばっかり喋っていた気がするんですけど
紗南
紗南
先生、話長いから
都築先生
都築先生
あっ、じゃあ朝のHRや授業もそうですか?
紗南
紗南
そうよ。だからいつも肝心なとこがわかんなくって……
早く帰ってほしくて声をかけたはずなのに、なぜか世間話になっていて慌てて口を閉じた。
先生はニッコリと笑って私に近づいてくる。
都築先生
都築先生
ちゃんと喋ってくださってありがとうございます。久しぶりに人と話をしてどうでしたか? 僕は弥生さんと話ができて楽しかったです
喋りたくない相手のはずなのに、今の先生の声は優しくストンと耳に入ってくる、そんな心地いい声に聞こえる。
そんな気持ちになる自分が許せなくて、先生のそばから駆け足で去りベッドに向かった。
紗南
紗南
早く帰って
都築先生
都築先生
そうですね、帰ります。これから部活も見なきゃいけないんで。ちょっと抜けてきたんですよ。帰ったら遅いって部員の子に怒られますねー
気楽にそう喋るから全然急いでいるふうには思えないけど、でもたしかこの人男子バレーボール部の顧問をしていたっけ。
都築先生
都築先生
では、また明日
紗南
紗南
……
都築先生
都築先生
さようなら
紗南
紗南
……
最後は先生の問いかけに返事をすることはしなかった。
そしてそのまま先生は私の部屋を出て行ったんだ。