それから先生は毎日同じ時間にメールを送ってくるようになった。
それは毎朝七時半。
私の家から学校に行くまでに、この時間に出れば間に合う、そんな時間だ。
先生はこのメールをきっかけに私が学校へ行く気になるとでも思っているんだろうか。
鼻で笑い、メールの内容を確認する私。
今日のメールは、
登校拒否をする生徒が家で真面目に教科書を開いて勉強でもすると思っているのかな?
でも、そろそろ部屋の中ですることもなくなり、暇を持て余していた私。
パラパラッと現国の教科書を捲ってみる。
閉じた教科書をフローリングの上に投げ、ベッドの上に横になった。
そして無意識にスマホを摑み、メールの受信画面をタップした。
そこにはずらりともう見慣れた先生のメールアドレスが並んでいる。
登校拒否になってから、私にこうして連絡をくれたのは都築先生だけだ。
それを何気なしにタップして一つずつ読み返してみた。
担任だというだけで、登校拒否のひきこもりの女子高生に毎日、色々と考えてメールを送らなきゃいけない先生という職業も、なかなか大変だなぁと妙に冷静になって都築先生からのメールを眺めていた。
真面目そうな先生のことだ。
きっと、頭を抱えながら内容を考えているに違いない。
返信なんかしてしまったら負けた気がして、どうも素直にメールを返せないでいた。
それでも都築先生はあきらめなかった。
平日は毎朝、必ず七時半に一通のメールを送ってくる。
それは昨日の学校での報告もあり、その日の朝の出来事を記していることもある。
それを結構楽しみにしている自分が信じられなかったけれど、でも、先生からのメールを読んでいると、心が軽くなる……そんな気持ちになっていた。
そして登校拒否を始めて三週間くらい経った月曜日。
その日の朝に、衝撃的なメールが私のもとに届いた。
ベッドの布団にもぐり込んでメールを見ていた私は勢いよく起き上がり、なぜか自分の服装を一番に気にしてしまった。
学校に行っているときは、多少は身なりを気にしていて髪もメイクも人並みに気遣っていた。
でも、家にずっとこもりきりの生活で何もしてこなかった今の私は肌も髪もボロボロだ。
絶対に部屋には入れないことを心の中で誓いながらも、手櫛で髪を整えている私。
思っていることと行動していることは別々だ。
ソワソワと居心地の悪い時間を私は夕方まで過ごすこととなった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。