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第12話

【空を見上げれば 1】
ポタ、ポタ……と、スマホのディスプレイに涙が落ちていく。
そこにはクラスメイトのなつかしい名前がずらりと並んでいた。
クラスメイト
【今日、都築先生が紗南の家に行くって言ってたねー】
クラスメイト
【一緒に行きたい人は連絡くださいって言ってたけど。だれが行くかっつーの笑】
クラスメイト
【略奪女の顔なんか見たくないって笑】
男女問わず、私のことについてトークをしている画面が視界に入ってくる。
私も途中で止めておけばよかったのに、気になってとうとう最後まで見てしまった。
そして、そこにはまどかから恵子に向かってメッセージが送られていた。
まどか
【恵子、誘われていたねー。行ったの?】
恵子
恵子
【行かないよ。もう友達じゃないもん】
その一文を既読にして震える指先で私はすぐにグループから退会し、アカウントも消した。
もちろんアプリそのものもスマホから消す。
今見たものをなかったことにしたかったんだ。
全てはウソで、あんなものはもとから存在しなかったことに。
でも、そんなことは魔法でも使わなきゃ無理だ。
だから、今見たものは全て現実で、私は今でもクラスメイト達からいらない人と思われている。
紗南
紗南
……もう、いやだ
外まで聞こえるくらい大声で叫びたかった。
私は悪くない! なにもしてない!って。
でも、私の声なんか誰も耳を傾けてくれないだろう。
紗南
紗南
ふっ……
自然に出る涙声を誰にも聞かれたくなくって、布団にもぐり込んだ。
もう、色々と考えるのがバカらしくなってきた。
もう、どうでもいいや。
気持ちも体も重いままベッドから立ち上がり、私は部屋の窓に向かう。
久しぶりにカーテンを開け、窓も開ける。
外を眺めると空は暮れ始めていて、薄っすらと夜の気配がした。
紗南
紗南
……ここから落ちたら、どうなるかな
二階くらいじゃ骨折する程度かもしれない。
何もかもいやになった今、全てを投げ出したいけど、アイツらのせいで人生が終わりになるなんてバカらしいし骨折で終わっちゃうんじゃただの痛み損だ。
紗南
紗南
バカなことはやめよ……
下を向いても見慣れた自宅の庭で、多少の雑草が生えただけの普通の地面だ。
そこには私を変えてくれる何かがあるわけじゃない。
涙を止めてくれるものがあるわけでもない。
そんなの、きっと見つかるわけない。
それに、私にもしものことが起きても、周りの人には同じ日々が繰り返されるだけ。
紗南
紗南
早く明日になって……
雑草ばかりの庭を見つめ、ポツリと呟く。
その日の夜は夕ご飯も食べる気になれず、電源をオンにしたスマホを見つめ、都築先生からの今まで送信されてきたメールをずっと繰り返し眺めていた。
そして翌朝、トイレに行こうとした時、メールが届く。
時計を確認すると時間は七時半。
……都築先生だ。
スマホを取る手は今までの中で一番速かったのかもしれない。
今日はどんなメールを送ってくれているんだろう。
多分【おはようございます。昨日はありがとうございました】とか事務的なメールな気もするけれど。
苦笑いしながら見たそのメールには、今まで見たことがないくらい長いメッセージが綴られていた。