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第6話

【メールの始まり 1】
登校拒否を決めた次の日の朝は、私の気持ちとは正反対の気持ちよい晴れだった。
二学期の始まりなんてまだまだ暑いはずなのに、今日に限って過ごしやすい気候に変わっているなんて私、本当につくづくツイてない。
母親
紗南ー。起きなさーい! 学校、遅れるわよー!
階段下から母親が私を起こす声が聞こえてくるけれど、返事をしなかった。
母親
紗南! 何してるの! どうせ昨日、夜遅くまで起きてたんでしょ!
お母さんの怒鳴り声を聞き、朝からモヤモヤばかりがたまっていく。
私は布団の中で大きなため息をついた。
母親
いい加減にしなさい! 本当に遅刻するわよ!!
紗南
紗南
うるさいな! 学校なんか行かないんだから放っておいてよ!
たまったイライラが爆発して、ベッドから起き上がると母親以上に大きな声を出して、自分の部屋の扉を思いっきりこぶしで叩いた。
そのあまりの音と衝撃に、殴った手はじんじんと痛んでいるし、叫んでもちっとも心はスッとしなかった。
母親も私のこの行動に絶句して階段を上って来ていた足音が止まり、少しの沈黙の後、さっきとは全く違う声色で話しかけてきた。
母親
どうしたの? 学校でいやなことでもあったの? お母さん、何も聞いてないから知らなかったわよ……
どうして何もかもお母さんに報告しなければいけないんだろう。
母親なら言わなくてもわかってくれてもいいのに、なんて、すごく自分勝手なことで今、イラついている。
紗南
紗南
もう私のことはほっといて!
頭が中から鈍器で打ち付けられているみたいに痛い。
紗南
紗南
はぁ……もう最悪……
おでこを手のひらでおおって目をつむり、眠りに就いた。
でも、浅い眠りは私をすぐに目覚めさせる。
カーテンも開けていないから外の様子は一切わからない。
だから部屋の時計を確認すると、お昼の十二時もまだ回っていなかった。
この時間、いつもなら三限目の授業を受けているくらいかな……
今日の三限目はたしか、担任の都築先生の国語の時間だ。
都築先生は私のクラスの担任だけど、いつもどこか抜けていて頼りない。
─────学校、辞めようかな。
その選択肢が、私の中で自然と浮かび上がってきていた。
行ったってイイことないし。
悪いことばっかりだし。
誰の目にも留まらなくなった今は解放された気分もあり、虚しい気分でもあり、それでも逃げられてホッとしたような……
とても、とても複雑な感情だ。
紗南
紗南
はぁ……
大きなため息をついて天井を見上げた時、家の電話が鳴っている音が聞こえてきた。
そして、お母さんが気取った声を出して喋っている。
いいな、お母さんにはママ友という友達がいるのに、どうして私はいないのだろう。
そばにあったクッションにスマホを投げつけ、私はどうしようもなく込みあがってくる感情を言葉にせずに、心の中で叫び続けた。
必要以上に部屋から出ず、私の登校拒否一日目は終了した。