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第14話

【空を見上げれば 3】
そして翌日。
またいつもの時間に都築先生からメールが届いた。
そこには目を丸くさせるメッセージが送られてきていた。
都築先生
都築先生
【おはようございます。担任の都築です。弥生さん、学校はどうなさいますか? まだ来られないのなら、僕が勉強を見たいと思います。場所も学校ではなく、となり町の図書館にしましょう。今週の土曜日、空けておいてください】
紗南
紗南
……はぁ?
何を考えているんだろう! この先生!
しかも、一方的に曜日とか決められているし!
紗南
紗南
図書館か……
先生と二人っきりで会うことが、世間一般的にいいのかどうかなんてわからない。
そうだ、もし土曜日が晴れたら行こう、雨だったらやめればいいじゃない。
自分で勝手に条件をつけて、私は壁に貼ってあるカレンダーの土曜日に赤ペンで丸をした。
紗南
紗南
雨だったら、気分が悪いとか適当な理由つけたらいいよね
赤ペンを指先でくるくる回しながら、今週土曜日をジッと見てしまう。
それに先生も部活があるんだから、わざわざ私一人のために時間を割いている場合じゃないだろうし。
そう思うとまた苦い気持ちが込みあがってきて、赤ペンを机の上にポイッと放り、気分を紛らわそうとパソコンの動画サイトを開く。
今日も決まった時間に動画サイトを更新して、視聴者を楽しませるためにあくせく働いている人が画面の中にいる。
私はそれを笑って見ながらも、半分は集中できないでいた。
そしてつまらない日々が過ぎ、土曜日の朝になった。
天気予報は晴れ時々くもり。
これなら先生は確実に家に迎えに来るだろう。
木曜日の朝までは学校行事についてのメールだったのに、金曜の朝には【明日、家まで行きますね】なんて送られてきたもんだから、いやが上にも心臓は反応して、今日までずっと高く鳴りっぱなしだ。
ソワソワと落ち着かない気持ちで過ごしていると、家のインターホンが鳴る。
都築先生はきっちり十時に私をむかえにやってきた。
玄関では、先生はお母さんに前もって話を通していたのか「どうか娘をよろしくお願いします」という声が聞こえてきた。
紗南
紗南
親の許可も取ってるんだ。さすがきっちりしてるわ
ここまで用意周到なら、一人あがいている自分が無様に思えてきた。
もう、行くだけ行って適当に勉強して帰ろう。
都築先生
都築先生
弥生さーん、むかえに来ましたー。行きましょー
玄関から間延びした声で私を呼ぶ先生。
私が「はーい!」なんて返事でもすると思っているんだろうか?
そんなことを考えると、恥ずかしくて顔から火が出そうだ。
紗南
紗南
もう……行きゃいいんでしょ!
適当に教科書とノートをトートバッグに詰め、勢いよく立ち上がった。
登校拒否を始めてから四週間。
この日、登校拒否をしてから私は初めて外に出た。