side:向井康二
《こーじおめでと!!》
《これからもよろしく!!》
ひっきりなしに鳴り響いてきたメッセージも、もうこの時間となればちらほらとしか届かない。
関ジュ、しょうれん、なにわ男子、WEST、SixTONES......
肝心のSnow Manは12時ぴったりに送ってくれたのが阿部ちゃんとめめとしょっぴー。
朝早くにらう、舘様、さっくん、ふっかさん、てるにぃ。
...あと1人からは、特に何も来てない。
まあそりゃそうか、
この前の無人島脱出で絆深まったとか、勝手にこっちが思ってただけか。
仲良くなれたとか、勝手にこっちが思ってただけ、よな。
勝手に、なにもかも。
《あなたと仲良くしーや!!》
「そんなん、出来るわけないやん、」
最後に連絡をしたのは半年前の3月、
それも内容は業務連絡。
このまんまじゃ、何にも変わらない、変われない。
「...来おへんよな」
あなただって、俺が14年前の今日、
ジャニーズになったこととかどうでもいい事やんな、、
痺れを切らして、俺から連絡しようとトーク画面を開いたちょうどその瞬間。
_ぴろん
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入所14周年おめでとう
これからも頑張ろな
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「え、?は!?」
直ぐに既読を付けてしまったことにあたふたする、いつもよりもちょっぴり特別な入所14年目。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!