第32話

アロマの香り
3,874
2020/12/19 13:30
side:海瀬あなた









─ぴんぽーん













渡辺「...うん、だと思った。こんな時間に来るのあなたくらいしか居ねぇもん」



「分かっとるや〜ん、寒いしはよ入れて」



渡辺「はぁ、」










腕時計が12の針を指した瞬間にぴんぽんした私まじ偉い。



これでも眠いの我慢してるんだぞ()












「あぁ〜寒かったぁぁぁ」



渡辺「なんもねぇよ俺ん家」



「うん知ってる」










とりあえず着いてあったテレビ番組をじいっと見ていると、翔太がぽかんとした顔で私を見た。











渡辺「...え?」



「おん?」



渡辺「え、なんか、ないの?」



「なぁにが?」



渡辺「えだってさ、こんな時間に俺ん家来るとかまずまずないじゃん、酔った時除いて」



「今日は気分?」



渡辺「...」











あらら拗ねちゃいました5歳児くん。



頬をぷくうっと膨らませてテレビをぶちん、と切りました可愛いですねぇ...










渡辺「ねーえーあなたー」



「なーに?」



渡辺「...」










そろそろ本題に入りましょうか、



しょうたくんが本気で怒っちゃいます。











「...はい!!はっぴーばーすでーしょっぴー!」



渡辺「...うんありがと」



「もーう拗ねんなってー!」



渡辺「......」









テレビもなんも着いてない部屋ではしょっぴーの携帯の通知音がうるさく鳴り響いてるだけ。



ムードぶち壊しじゃん(











「じゃあ私帰りまーす!また明日!おやすみ!」



渡辺「えちょ、」











帰ろうと踵を返したら、しょっぴーに腕を引っ張られてバランス崩しそうになって...



もうその先の展開は少女漫画とかでよく見るあれですよ、









「わぁっ」



渡辺「うわっ」










ばさ、としょっぴーの持ってた私があげた紙袋が落ちて、



ふわりとあげたアロマの香りが私たちを囲む。










「顔、近い、」



渡辺「あごめんっまじごめん!!!!!!」










何がゴメンだよ馬鹿野郎。



ちょっとドキドキしたじゃねぇかよっ、











「ぶぁぁぁぁぁか!!!!!」



渡辺「えねぇごめん、わ、プレゼントひっくり返しちゃった真面目にごめん!!!!」










少しいやかなりドキドキしたとか、



しょっぴーの甘い香りにきゅんとしたとか、



そんなの知らんし!!!!!!!!!!

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