帝都東神楽舞隊基地内にある図書館の一角。
6人掛け程度の椅子と机がいくつか並んでいる場所に、藤堂・白神・赤音・綾井が集まっていた。
綾井だけは椅子に座らず、藤堂たちが使用している隣の机に軽く腰を掛け、興味なさそうに書類を見ている。
―――神楽舞隊『七刀星』所属・綾井雪松。
―――『七刀星』所属・白神透。
―――『七刀星』所属・赤音輝。
―――『七刀星』リーダー・藤堂豪一郎。
いかにも面倒だと言いたげに、綾井は溜息をついた。
毅然としつつも、綾井の様子をうかがう藤堂。
肩を竦めて、綾井はその視線を受け流した。
まるで藤堂の反応を試すかのように綾井は問いかける。
その言葉に、藤堂も平然と答えた。
あくまで世間話であると言いたげに微笑む綾井を、厳しい顔のまま見る藤堂。
そこに「わかるわかる」と言うように白神が会話に加わった。
ふわふわとした雰囲気の白神は、場を和ませるように語りかけた。
真面目に頷く赤音と、かるく冗談めかす綾井。
2人の反応を見て、藤堂は息を吐き出した。
ユニットのバランサーらしく、白神は終始場を和ませながら話を進めていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。