物語上、1月2日の事件を語らなければ
ならない流れになったので説明しよう
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1月2日
カリムはベッドの上から降りようと
する私の腰を抱きしめて駄々をこねる
そう言って首筋にキスをして服の中に
手を入れてきたので、すぐさまカリム
から離れる
悲しそうな顔のカリムを置いて部屋から
出て広すぎる豪華な廊下を歩くと丁度
ジャミルがいた
私が全力でお断りしたら、ジャミルは
私の頭に馬場チョップをお見舞する
ジャミルは深いため息をつきながら
私の横に並び歩調を合わせ歩いてくれる
流石だな〜あのリズが好きになるだけの事はあるな
感心しつつも、広い図書館につき
沢山の本を読み漁る
私が積み重ねた沢山の本の作者の
名前をジャミルは不思議そうに読む
今までで1番、目をキラキラさせたのでは
と思うほど、ジャミルは興奮している様子
それは私も一緒で
声を合わせたことにジャミルは驚き
お互い目をキラキラさせる
そんなこんなでジャミルとは小5時間語り
あったあと、お互いのオススメの本を貸しあった
5時間も語ったにも関わらず
まだ全然語り足りない
はい、カリム先輩ブチギレてる
まずい機嫌直さなきゃ
私はすかさずカリムの手を空いている
方の手で握り笑顔で話しかける
よし、機嫌戻ってきた
完全に機嫌の戻ったカリムに部屋に本を
置いてくると伝え一旦別れる
本を片手に1人で廊下を歩いている時だった
突如首を絞められ、口元に布を当てられた
その直後だった視界が歪み意識が途絶えた
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sideエマ
あなたとかいう女を捕また
まじで最高、なんだかんだ言って
大したことないじゃない
気絶している彼女の腕には今、手錠が
かけられているただの手錠じゃない
毒が塗りたくっている手錠だ
憎い彼女の綺麗な顔や体を散々殴り蹴りする
この女がいなければ、私がカリム様の正妃
この女がいなければ、私がカリム様に求められて
この女がいなければ、私がカリム様に愛されて
今この女がいる居場所は私のものなのに
突如、彼女は血を吐き目を覚ました
綺麗な白いドレスは彼女の血で真っ赤に
染まっている
彼女はそう言いながら立ち上がる
周りにいる5人の男達を足だけで
ボコボコにした後にゆっくりと
こちらにふらふらと向かってくる
あまりの強さに驚き私は彼女に短剣を
震える手で向け彼女に振り下ろす
彼女はそれを利用し短剣の勢いと
自分の底なしの怪力をフル活用し
手錠と手錠の間にある鎖をちぎる
ありえない、もう人間じゃない
と思った直後、彼女はフラっと
頭を抑えその場にしゃがみ込んだ
彼女の綺麗な髪をわしずかみにして
体ごと持ち上げる一応私も10年もの
鍛錬をしてきた身だ、こんなに軽い
生命体ぐらいは持ち上げられる
そして彼女の片手にある短剣に
手を伸ばそうとするが
その言葉で動揺した私を待っていたかのように
彼女は自分の髪をナイフでざくっと切り
私から身を離した瞬間に私のお腹に一発、
それも全力のをお見舞したのでそれから
はもう意識が遠のきかけた
だが、同時に金色の光が私の薄れかけた
視界を塞いだ、そして感じるはずの腹の
痛みが消え、不思議に思い体を起こすと
彼女が治療をしていた
彼女の長い髪は不統一に肩にぎりぎり
つくほどまでの長さになっていて
彼女の綺麗な顔には沢山の殴られた後
彼女の白く綺麗なドレスは真っ赤に染まり
彼女からは血の匂いがする
と、私の完全に治った体をゆっくりと
起こしてくれる、手を差し伸べてくれたが
振り払い自力で立つ
と彼女の胸ぐらを掴んだと同時だった
バンッという音と共に扉が開き誰かが
駆け寄ってくる音がする
それと同時に頬に衝撃が走る
そのせいで私の体は壁に飛んでいく
何事かと思い殴った主を見るとカリム様だった
カリム様と目が合った瞬間、全身に鳥肌が立った
今までに見た事がなかったぐらいにカリム様の
目つきは鋭いもので視線だけで人を殺せるほど
普段温和な人ほど怒ると怖いというのは本当らしい
すぐさま反対側の頬に衝撃がはしる
怒り狂ったカリム様に何度も殴られる
そして、彼女はカリム様を全力で止め
数分後落ち着いたカリム様は彼女を
見るやいなや「何があった」とすごく
低いトーンで言った
白々しく嘘をつく彼女にカリム様はそう怒鳴る
そして、カリム様は私を横目でじろりと
睨む、私をゴミを見るような目で
彼女は言葉を途切れ途切れに発した
直後にばたりと倒れた
毒が今になって効いたのね……死ねばいいのに
カリム様に殴られたせいで意識が朦朧とする
だけど必死に最後まで最後まで伝える
だけど、最後に見たカリム様の私を見る目は
あの女を愛おしいものを見るような目で
見る時とは天と地で
私のことを哀れみの目で見ていた
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目を覚ますと、カリムがこちらを
心配そうな顔をして見ていた
体を起こした私をカリムはぎゅっと
壊れ物を扱うように優しく抱きしめ
「よかった……」っととても小さい声で呟く
すぐに、アジーム家お抱えの名医に診て
もらい完全なる治療をしてもらう
命に別状はないようで、お医者さんは(男の)
カリムにあまりにも睨まれるのですぐに出ていった
耳がシュンとするカリムに母性本能がくすぐられる
そういう私にカリムは驚いた顔をしたが
すぐに微笑み「あぁ」と答えてくれる
私はベットの隅に何とか移動して
リズは丁寧に揃えてくれる
カリムは泣きそうな顔で私の揃えられ
短くなった髪をサラッと触る
セミロングともボブともいえない中間
の長さなので、私的には手入れが楽に
なるのでありがたかった
まぁエルサにばれたら
「髪を粗末にするなんて信じられません!」
って激怒するんだろうな
私の冗談半分のその言葉にカリムは
全力で首をブンブン振る
そう言いながらカリムは私を再度抱きしめた
リズとジャミルはため息をつき部屋から出た
それが合図のように唇を重ねる
腰に手を回されたので私も同じように
背中に手を回した、それが原因か
キスは深くなっていき
それを偶然、窓の外から沢山の使用人に
見られていて「カリム様のお嫁さんは
金髪金眼の超絶美人」という噂が広まった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。