第31話

31話
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2021/02/05 10:28

物語上、1月2日の事件を語らなければ
ならない流れになったので説明しよう












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1月2日
あなた
カ〜リ〜ム〜離してっ!
カリム
カリム
い〜や〜だ〜!いいだろ!
ホリデーぐらいイチャイチャしたって!
あなた
散々したでしょ!

カリムはベッドの上から降りようと
する私の腰を抱きしめて駄々をこねる
カリム
カリム
なぁいいだろ?1回だけ
そう言って首筋にキスをして服の中に
手を入れてきたので、すぐさまカリム
から離れる
あなた
私、カリムが課題終わらせるまで
図書館で勉強してくるから
カリム
カリム
え゙
あなた
じゃあ、頑張ってねカリム

悲しそうな顔のカリムを置いて部屋から
出て広すぎる豪華な廊下を歩くと丁度
ジャミルがいた
あなた
ジャミルおはよう
ジャミル
ジャミル
あぁカリムは起きてるか?
あなた
うん、でも今
機嫌悪いから後がいいかも
ジャミル
ジャミル
そうか………
ジャミル
ジャミル
護衛騎士もつけずにどこへ行く?
あなた
図書館に行こうと思って
ジャミル
ジャミル
図書館?またお前は………
恋人の実家に来て本を漁る
なんて、お前ぐらいだぞ
あなた
いいじゃない………アジーム邸には
熱砂の国に伝わる古本や珍しい
本が沢山あるってリズに聞いて
ジャミル
ジャミル
あぁ、それなら俺も行こう
あなた
え゙いいよ1人で……
私が全力でお断りしたら、ジャミルは
私の頭に馬場チョップをお見舞する
ジャミル
ジャミル
あほ、次期正妃が護衛も
つけずにうろつくなんて
アジームの名が廃る
ジャミル
ジャミル
それに、リズを借りてる
俺にも少しは非がある
あなた
そう、じゃあ行こう
実は私、図書館の場所いまいち
分からないの
ジャミルは深いため息をつきながら
私の横に並び歩調を合わせ歩いてくれる


流石だな〜あのリズが好きになるだけの事はあるな


感心しつつも、広い図書館につき
沢山の本を読み漁る
ジャミル
ジャミル
ウィリアム・シェイクスピア……
お前シェイクスピアを知ってるのか?
私が積み重ねた沢山の本の作者の
名前をジャミルは不思議そうに読む
あなた
知ってるというか………ファンです
ジャミル
ジャミル
本当か!?俺も好きなんだ!
今までで1番、目をキラキラさせたのでは
と思うほど、ジャミルは興奮している様子

それは私も一緒で
あなた
ジャミルも知ってるの!?
ジャミル
ジャミル
あぁ、幼少の頃からよく
ここに通っていてな沢山読む
うちにファンになっていた
あなた
私も幼少の頃からなの!
最初は王道のロミジュリから
読みだしたんだけど
あなた
読んでるうちに世界線や描写が
本当に天才で……それだけじゃ
なくてね名言も大好きで
ジャミル
ジャミル
あぁ、俺も特に好きなのは
12世紀〜13世紀にかけて
知り渡られた有名な、
あなた
「光るもの全て金ならず」!
ジャミル
ジャミル
「光るもの全て金ならず」
声を合わせたことにジャミルは驚き
お互い目をキラキラさせる
あなた
「貴重または真実に見えるものすべて
がそうであることは限らない」
すごくかっこいいよね〜
ジャミル
ジャミル
あぁ!それに17小節目なんて───


そんなこんなでジャミルとは小5時間語り
あったあと、お互いのオススメの本を貸しあった


5時間も語ったにも関わらず
まだ全然語り足りない







ジャミル
ジャミル
まさか、お前がそんなにも
シェイクスピアファンだったとは
あなた
私もびっくりだよ、同士見つけ
られて嬉しいな。また語ろう
ジャミル
ジャミル
あぁ勿論だ。こんなに人と好きなこと
を語ったのは久々だな
あなた
私も私も!シェイクスピアファンは
私の周りに中々いなくて
ジャミル
ジャミル
よければ次の連休に────
カリム
カリム
おい
あなた
あ、カリム!
課題はもう終わったの?
カリム
カリム
あぁ、お前達は何をしていたんだ?

はい、カリム先輩ブチギレてる
まずい機嫌直さなきゃ


私はすかさずカリムの手を空いている
方の手で握り笑顔で話しかける
あなた
あぁ聞いてカリム
ジャミルもシェイクスピアファン
だったの!
カリム
カリム
シェイクスピア……?あぁあなたが
好きだって言ってた作…家?だっけな
よし、機嫌戻ってきた

あなた
そうなの、カリムとも沢山
話したいから早くご飯食べよう?
カリム
カリム
あぁ!そうだな!

完全に機嫌の戻ったカリムに部屋に本を
置いてくると伝え一旦別れる


本を片手に1人で廊下を歩いている時だった
突如首を絞められ、口元に布を当てられた
その直後だった視界が歪み意識が途絶えた



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sideエマ




あなたとかいう女を捕また


まじで最高、なんだかんだ言って
大したことないじゃない




気絶している彼女の腕には今、手錠が
かけられているただの手錠じゃない
毒が塗りたくっている手錠だ











エマ
エマ
あ〜あ可哀想に
エマ
エマ
カリ厶様に愛されてるなんて
勘違いしたあんたが悪いのよ?
エマ
エマ
あんたがいなければ!
私がっ!私がカリム様に!

憎い彼女の綺麗な顔や体を散々殴り蹴りする



この女がいなければ、私がカリム様の正妃
この女がいなければ、私がカリム様に求められて
この女がいなければ、私がカリム様に愛されて


今この女がいる居場所は私のものなのに




あなた
ゴホッゴホッゴホッ
あなた
貴女………こんなことをして
どうなるか分かっているの?
突如、彼女は血を吐き目を覚ました
綺麗な白いドレスは彼女の血で真っ赤に
染まっている
エマ
エマ
お得意の体術は使えないわよ?
あなた
このっ………手錠……………毒…………?
エマ
エマ
その手錠がある限りあんたは
立つことすらできない
エマ
エマ
猛毒だもの
エマ
エマ
今、目を覚まして喋ってる
のもおかしいのに
エマ
エマ
おかしいわね
即死する猛毒を用意したのに
あなた
悪いわね
あなた
幼い頃から毒には端正があるの

彼女はそう言いながら立ち上がる
周りにいる5人の男達を足だけで
ボコボコにした後にゆっくりと
こちらにふらふらと向かってくる
あなた
でもこの毒、結構効いてるわよ
私でもこうして歩くのもやっとだもの
エマ
エマ
当たり前じゃない!化け物!

あまりの強さに驚き私は彼女に短剣を
震える手で向け彼女に振り下ろす

彼女はそれを利用し短剣の勢いと
自分の底なしの怪力をフル活用し
手錠と手錠の間にある鎖をちぎる


ありえない、もう人間じゃない





と思った直後、彼女はフラっと
頭を抑えその場にしゃがみ込んだ


エマ
エマ
や、やっぱり聞いてたのね

彼女の綺麗な髪をわしずかみにして
体ごと持ち上げる一応私も10年もの
鍛錬をしてきた身だ、こんなに軽い
生命体ぐらいは持ち上げられる


そして彼女の片手にある短剣に
手を伸ばそうとするが
あなた
こんなことをして、カリムが
黙っていないわよ
エマ
エマ
うるさい!

その言葉で動揺した私を待っていたかのように
彼女は自分の髪をナイフでざくっと切り
私から身を離した瞬間に私のお腹に一発、
それも全力のをお見舞したのでそれから
はもう意識が遠のきかけた


だが、同時に金色の光が私の薄れかけた
視界を塞いだ、そして感じるはずの腹の
痛みが消え、不思議に思い体を起こすと
彼女が治療をしていた
あなた
私としたことが、女の子に
手を挙げてしまうなんて
あなた
大人げなかったわよね

彼女の長い髪は不統一に肩にぎりぎり
つくほどまでの長さになっていて
彼女の綺麗な顔には沢山の殴られた後
彼女の白く綺麗なドレスは真っ赤に染まり
彼女からは血の匂いがする



あなた
反省したかしら?
と、私の完全に治った体をゆっくりと
起こしてくれる、手を差し伸べてくれたが
振り払い自力で立つ
エマ
エマ
本当に、あんたはバカなの!?
と彼女の胸ぐらを掴んだと同時だった
バンッという音と共に扉が開き誰かが
駆け寄ってくる音がする


それと同時に頬に衝撃が走る
そのせいで私の体は壁に飛んでいく
何事かと思い殴った主を見るとカリム様だった




カリム様と目が合った瞬間、全身に鳥肌が立った
今までに見た事がなかったぐらいにカリム様の
目つきは鋭いもので視線だけで人を殺せるほど

普段温和な人ほど怒ると怖いというのは本当らしい




すぐさま反対側の頬に衝撃がはしる
怒り狂ったカリム様に何度も殴られる

あなた
カリムっ!

そして、彼女はカリム様を全力で止め
数分後落ち着いたカリム様は彼女を
見るやいなや「何があった」とすごく
低いトーンで言った
あなた
別に………何にも
カリム
カリム
あなた

白々しく嘘をつく彼女にカリム様はそう怒鳴る
あなた
1人で歩いてたら、気絶させられて
毒もられて………でも!毒がなかった
らこんなに無様にやられてなかった!
カリム
カリム
お前…………覚えておけ
そして、カリム様は私を横目でじろりと
睨む、私をゴミを見るような目で
エマ
エマ
カリム……様……聞いてっ………くださっ
あなた
ちがっ……………その子はっ………関係…………………………な

彼女は言葉を途切れ途切れに発した
直後にばたりと倒れた


毒が今になって効いたのね……死ねばいいのに
エマ
エマ
カリム様………………そのっ…………女が…………………悪いんですっ
カリム様に殴られたせいで意識が朦朧とする
だけど必死に最後まで最後まで伝える


だけど、最後に見たカリム様の私を見る目は

あの女を愛おしいものを見るような目で
見る時とは天と地で

私のことを哀れみの目で見ていた













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目を覚ますと、カリムがこちらを
心配そうな顔をして見ていた
あなた
カリム…………?
カリム
カリム
あなた………
体を起こした私をカリムはぎゅっと
壊れ物を扱うように優しく抱きしめ
「よかった……」っととても小さい声で呟く
リズ
リズ
ジャミル、医者を
ジャミル
ジャミル
あぁ

すぐに、アジーム家お抱えの名医に診て
もらい完全なる治療をしてもらう


命に別状はないようで、お医者さんは(男の)
カリムにあまりにも睨まれるのですぐに出ていった
カリム
カリム
あなた、食べたいものは?
あなた
ない〜かな?
カリム
カリム
痛いところは?
あなた
全身かな
カリム
カリム
大丈夫か!?
あなた
大丈夫だよ笑
痛み止め飲んでるからね
カリム
カリム
そうか
カリム
カリム
してほしいこととかないか!?
なんでも言ってくれ!
リズ
リズ
静かにしろカリム
カリム
カリム
そ、そうだよな、ごめんな
耳がシュンとするカリムに母性本能がくすぐられる

あなた
何もしなくていいから、側にいて
そういう私にカリムは驚いた顔をしたが
すぐに微笑み「あぁ」と答えてくれる
あなた
リズ、髪揃えてほしいな
リズ
リズ
あぁ任せろ

私はベットの隅に何とか移動して
リズは丁寧に揃えてくれる
カリム
カリム
髪………ごめんなぁ
カリムは泣きそうな顔で私の揃えられ
短くなった髪をサラッと触る

セミロングともボブともいえない中間
の長さなので、私的には手入れが楽に
なるのでありがたかった



まぁエルサにばれたら
「髪を粗末にするなんて信じられません!」
って激怒するんだろうな



あなた
大丈夫だよ
カリム
カリム
でも、オレがもっと早く
来てたら…………
あなた
大丈夫だって、それとも
似合ってない?
私の冗談半分のその言葉にカリムは
全力で首をブンブン振る
カリム
カリム
すっげー可愛い
カリム
カリム
だけど、あなたの綺麗な髪が
あなた
いいって言ってるでしょ
あなた
これ以上謝ったら怒る
カリム
カリム
あぁ

そう言いながらカリムは私を再度抱きしめた
リズとジャミルはため息をつき部屋から出た


それが合図のように唇を重ねる
腰に手を回されたので私も同じように
背中に手を回した、それが原因か
キスは深くなっていき


それを偶然、窓の外から沢山の使用人に
見られていて「カリム様のお嫁さんは
金髪金眼の超絶美人」という噂が広まった

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