第9話

第9話
2,503
2021/01/03 06:38
サマーホリデー期間中の7月はずっと実家ですごしていた…………まぁ実家っていっても皇宮なんだけど
本日8月2日

例の宴はとうとう明日に迫っている
サラ
サラ
皇女様〜
慌ただしく情けない声をあげ走ってくるのは
私の専属護衛騎士サラ・エレメレク。見た目
は美少女でとても可愛らしいが実力は確かである
サラ
サラ
大変です!アジーム家から沢山のドレスと靴と宝石が送られてきました!
あなた
はぁ〜
絶っっっっ対にカリムからだ
サラ
サラ
それとこのメッセージカードも一緒に送られてきてて
サラから渡されたメッセージを見ると



あなたの好み分かんなかったから
とりあえず適当に送っといたぞ!
この中で好きなやつ着てこいよな!

カリム・アルアジーム





と書かれていた。


そうだと思ったのよね〜
あなた
にしても、変わったドレスね
リズ
リズ
南の国だからな
リズ
リズ
そもそも、南の国は誰もがしる亜熱帯。日々気温も高く庶民や貴族達までもが必要最低限の衣服しか身にまとわない
あなた
そこで、
完成したのがこのドレスなのね
目の前に沢山並べられているドレスは
種類と沢山あるがほとんどが


薄い生地でできた露出の多いドレス
肩、腹、胸元は当然のように露出。
その分下半身は安定で薄い生地。
とはいえしっかりと肌は隠れている
大事な部分以外ほとんど透けてるし……


サラ
サラ
お嬢様の綺麗な金色の髪の毛には
この藍色のドレスがお似合いかと
あなた
それにしよっかな
サラ
サラ
えぇ私なんかの意見でいいのですか!?
リア
リア
皇女様がいいと仰ったの
自信を持ちなさい
おどおどするサラを宥める彼女は
リア・エレメレク。サラの双子で彼女も
私の専属護衛騎士で魔力は全般扱う事が
できる。剣術もリズと並ぶ帝国トップレベル
女性ながらに魔力を持っているため彼女も
NRCに入学している
彼女達は双子だけど全然似ていない
容姿はどちらとも白髪金眼でそっくりだが
性格ははっきり言うと

サラは、天然美少女
リアは、お姉さん系美人

という感じだ。ちなみに


サラはジェイドに片思い中で
リアはフロイドに片思いされている
というなんとも面白い展開なのだ
あなた
リア
最近フロイドさんとはどうなの?
リア
リア
あのウツボ野郎、最近静かだと思ったら「押してだめなら引いてみろ作戦」をしていたとか意味不明の事をいいやがるので最近はずっと無視しています
リア
リア
サマーホリデー中も
誘われましたが断りました
あなた
あちゃ〜
サラ
サラ
フロイドさん………ご愁傷様です
リズ
リズ
サラはどうなんだ?
サラ
サラ
進展ないですよ〜(泣)でもこの間
「好きです」って「可愛いですよ」
って言ってくださって
サラ
サラ
全部冗談だったんですけど………
サラ
サラ
安定の片思いです
それ、脈ありなんじゃ?
と思ったのは私だけではないと思う
リズ
リズ
やはり、恋愛なんてくだらないな
サラ
サラ
あ!私知ってるんですからね!
リズさんが明日ジャミルさんの
パートナーとして参加するって
リア
リア
それは聞き捨てならないですね
リズ
リズ
勘違いするな!
ただお互いの利益のためだ
サラ
サラ
本当かな〜?
ね、リア怪しいと思わない?
リア
リア
うん、すっごく
あなた
でもね、私の予想だと両思いっぽいん
だよね〜ジャミルとリズ!
サラ
サラ
えぇぇぇぇ!!そうなんですか!?
リア
リア
脱・非リアですね。リズさん
おめでとうございます
リズ
リズ
勘違いするな、私はジャミルの
事は何とも思っていないぞ
サラ
サラ
素直になっちゃって
下さいよ〜リズさん
リア
リア
意地をはってもいいこと
はありませんよ
あなた
そーだそーだ
リズ
リズ
お前らぁ〜〜〜





いい加減にしないか!というリズの大声が夜の皇宮中に響き騒ぎになったのは言うまでもない






─────────────────────

そして迎えた宴当日、早朝5時起き
着替えはあちらですると言うことになり
早々と皇宮をでる。



皇族の紋章の入った馬車に乗る

リズ、サラ、リア、私のメンツで向かう事となる
馬車の中はくだらない話に花が咲き
南の国につくのはあっという間だった
モブ
モブ
到着致しました
馬車の中からでた私達は
目の前に出てきた光景に目を見開く
リズ
リズ
流石、南の国の最大権力者と言ったところか皇城レベルの城なんぞ、なかなかにないぞ
サラ
サラ
大きい〜
リア
リア
噂には聞いていましたが、アジーム家
がこれほどまでとは
皆は、大きすぎる宮殿を見上げて口を開けている
カリム
カリム
おぉぉい!あなた〜
ん?何か聞こえるような
周りをキョロキョロと見回していたら
不意に誰かに抱きつかれた
カリム
カリム
よっ!
あなた
カリム
カリム
カリム
久しぶりだな〜あなた〜!
お前がいなかったから
死にそうだったぞ〜
あなた
大袈裟だよ〜カリム
ジャミル
ジャミル
おいカリム、公の場で抱きつくな!
あなただって皇女という立場があってだな!
あなた
まぁまぁ、ジャミル
まだ宴は始まってないんだから
リズ
リズ
そうだぞ、ジャミル。私とパートナーになれて浮かれる気持ちは分かるがそう慌てるな
リズ
リズ
訳:これぐらい見逃せウミヘビ野郎
ジャミル
ジャミル
あぁ、なんだいたのか
リズ
リズ
なんだと!?
ジャミル
ジャミル
お前
見ない間に太ったんじゃないか?
ジャミルはリズの頬をむにゅと片手で挟む
するとリズの顔がカァァと赤くなり、
ジャミルも自分のした事に後で気づいたのか
茹でたこになり即手を離す
ジャミル
ジャミル
わ、悪い
リズ
リズ
い、いやこちらこそ
一同「「「「「さっさと付き合えよ」」」」」
リア
リア
青春に浸っている所、大変恐縮ですが
皇女殿下、お時間が迫っております
チラッと時計を見ると、時刻は5時30分
宴の開始時刻は7時だ、
サラ
サラ
急ぎましょう皇女様
あなた
うん、そうだね









1時間30分後


サラ
サラ
うわぁ〜綺麗です皇女様!
リア
リア
いつも美しいですが、
今日はより美しさが増しております
リズ
リズ
力作だな
軽めのナチュラルメイクに長く綺麗な金色の髪は緩く巻いてある、手首、耳、首元、そして頭の上には金色の装飾が彩り動く度にシャラシャラと鳴り響く
サラ
サラ
やはり藍色のドレスにして正解でしたね。皇女様の髪色にとてもお似合いです
あなた
髪はおろさないとだめなの?
リア
リア
はい、皇女様のグレイス帝国皇族特有の美しい金色の髪は武器になります、
リア
リア
結ったりなんかしたら勿体ないですよ
自慢するべきです
あなた
そ、そう?
リズ
リズ
行くぞカリムが待っている
そういった、リズの格好は漆黒のドレスに金色の装飾がついてあり、リズの白すぎる肌によく似合っていた。
あなた
うん
カリムが待っているという部屋に入る
カリムと目が合うとしばらくずっと
見つめられていた
それはジャミルも同じようで、顔を赤らめ
リズをじーっと見るジャミルをリズは腕を
くみ頭に?マークを並べている
あなた
?あのカリム?
カリム
カリム
……………
カリム
カリム
すっっげぇ可愛いな
カリム
カリム
いや、あのいつも可愛いぞ!
ただ今日はすっげぇ可愛い
カリム
カリム
やばい、どうしよう……誰にも見せたくねぇ
カリムは私をギュッと抱きしめて耳元でそう呟いた
は、反則すぎるでしょ〜〜〜!?
だいたい貴方のその衣装!すっごくかっこいいんだからね!それはこっちのセリフなの!
カリム
カリム
俺から絶対に離れちゃだめだぞ!め!
可愛いのはあなたです!
あなた
は、はい
ところでジャミル達はどうなったんだ?
リズ
リズ
おい、
黒焦げチキン、とうとう頭うったか?
ジャミル
ジャミル
…………
リズ
リズ
あぁ、そういう事か
リズ
リズ
私が綺麗すぎるあまり
に見惚れてしまったか?笑
ジャミル
ジャミル
コク
リズ
リズ
………………え
予想外の反応だったのかリズは
ジャミル以上に顔が赤くなった
あなた
カリム、もう7時だけれど大丈夫なの?
カリム
カリム
あぁ位が低い順に入場することになっていてな、俺達は最後から二番目だ
あなた
南の国ではそうなんだね
モブ
モブ
カリム様、そろそろ
カリム
カリム
あぁ、行くぞ














大きな扉が開き



モブ
モブ
アジーム家次期当主
カリム・アルアジーム様と

グレイス帝国第一皇女
あなた・グレイス様のご来場です
カリムにエスコートされその後ろには
それぞれの従者リズとジャミルがつく
その場にいる全員が頭を下げ私達は
王座の一番近くの上座に座る
モブ
モブ
アジーム家当主
アリム・アジーム様

アジーム家正妃
ベルーナ・アジーム様のご来場です
そしてこの宴で、この国で最も高貴な
二人が入場する、私も周りと合わせ頭を下げる
アリム
アリム
今宵は、
よく来てくれた存分に楽しんでくれ。
そして、宴が始まった
上座といっても、王座のすぐ近くである
私達はほぼカリム父と隣のである
父に挨拶に行くのは恒例のようで長男
のカリムがトップバッターらしい
カリム
カリム
父上
アリム
アリム
おぉ、カリム大きくなったな
カリムパパを見た瞬間凄くびっくりした
カリムとそっくり………とても40人もの
子持ちに見えないな、顔整いすぎ
カリム
カリム
お陰様で
アリム
アリム
そちらは?
あなた
グレイス帝国第一皇女あなた・グレイスです。この度はこの様な素晴らしき宴にご招待頂き感謝致します
アリム
アリム
あなた様はカリムと
恋仲なのでしょうか?
あなた
敬語はおやめ下さい、それとあなたとお呼びください。当主様
アリム
アリム
あぁ、わかった
アリム
アリム
それで、あなた。君はカリム
の事をどう思っている?
友達と思っています。と言おうとした


でも何かが引っかかった








なんで?だって私はカリムと付き合いたくないって思ってる結婚だってしたくないって



じゃあなんでこんなに胸が苦しいの?
こんなにカリムを見ているだけで
カリムが他の女の子と話しているだけで














あぁそうか




嫌なんだ



このままカリムと付き合って結婚して
側妻をつくられるのが





私だけを見てほしいんだ

























だったら私はカリムの事を────
あなた
お慕いしております。
私の言葉にカリムは目を見開く
アリム
アリム
カリムを幸せにする覚悟はあるかい?
あなた
分かりません
アリム
アリム
何?
あなた
当主様にとってどこまでが覚悟があるの内に入るのか私には検討もつきません
あなた
ですが
幸せになりたいとは思っています
あなた
この先、生きていく中で
幸せになるならば彼の横でではないと
それは私の幸せの内に入りません
あなた
私は、彼をカリムを心からお慕いしております
アリム
アリム
そうか
アリム
アリム
これからもカリムをよろしく頼む
あなた
はい
カリム
カリム
父上
アリム
アリム
なんだ
カリム
カリム
少し、席を外してもよろしいでしょうか
アリム
アリム
あぁ←察した
アリム
アリム
構わない
カリム
カリム
ありがとうございます
カリムは当主様に一例をして私をお姫様抱っこする
あなた
え、えぇ!?どうしたの?カリム!
カリムは無言で会場を後にする
廊下をスタスタと歩き、カリムの部屋らしき
部屋のソファで私をおろす
あなた
カリム?一体どう───
カリムは私を押し倒し、唇を奪う
あなた
ふ……ぅ…んぅ…
優しい触れるだけのキスを
何度も何度も角度を変えて続ける
息を求めるように口を開けば、待っていたかのようにカリムの舌が入ってくる






深く、甘く、激しいキスに
私はメンタル的に限界だった

カリムの胸をトントン叩くがカリムは
辞めるどころか甘いキスをし続ける





キスをやめたと思えば、そのまま
手馴れた作業で私の上半身の衣服を脱がし
首に顔を埋める、鎖骨を舌でなぞり
沢山のキスマをつける


あなた
カリ……ッム……
あなた
だっ…め
もう、キャパオーバー………
バンッ



勢いよく扉が開いたと思ったら
リズがどすどすと部屋に入ってきた
そして、私をカリムから引き剥がし
リズ
リズ
離れやがれこのムッツリが!
ジャミル
ジャミル
おい、リズ邪魔をするな
リズ
リズ
邪魔はしていない!
セッ○スをするのは勝手だが
お互いの同意がないと私は認めん!
そんなストレートに言わないでよ〜!!

再度思い出してきて、更に顔が赤くなる
上半身に衣服を纏っていない事に気づき
慌てて隠す
カリム
カリム
あ!ジャミル!あなたの裸みんなよ!
ジャミル
ジャミル
お前は黙っていろ💢
あなた
み、みんな落ちついて
あなた
私は大丈夫だから
少し2人にしてくれない?
リズ
リズ
わかった、だがまた襲われそうになったら大声を出すんだぞ!絶対だぞ
あなた
うん
リズとジャミルが去って、私はかリムと向き合う
カリム
カリム
続きするか?
あなた
しない!
カリム
カリム
そっかぁ〜残念だな
あなた
遅くなってごめんなさい。カリム
あなた
私はきっと大分前から
貴方の事が好きだった
あなた
でも、言えなかったの
カリム
カリム
なんでた?
あなた
怖かったの………
あなた
カリムと付き合って結婚して側妻達ができて私以外にもカリムの愛を受け取る人が出来ることが
あなた
だから、その、こんなめんどくさい女にする必要はないんだよ?
私が苦笑いしながら言うとカリムは
眉を下げ悲しそうな顔をする
カリム
カリム
俺の妻はこれからもずっとお前だけだ
カリム
カリム
側妻も作ろうと思わないし
子供だって無理に産まなくてもいい
カリム
カリム
だからお願いだ
カリム
カリム
そんな事言わないでくれ
そう言いながら私を抱きしめる
カリムの手は僅かに震えていた
あなた
私、めんどくさいよ?
カリム
カリム
あぁ
あなた
嫉妬深いよ?
カリム
カリム
あぁ
あなた
泣き虫だよ?
カリム
カリム
あなたがいいんだ
カリム
カリム
お前じゃなきゃだめなんだ
あなた
それは……みんなと同じで皇帝になるため?
カリム
カリム
俺はお前の事を娶ろうと思っている
あなた
でもっ……でも!
カリム
カリム
好きなんだ!もうそれでいいだろ?
あなた
っ〜〜〜
あなた
うん
今までにこんなにも幸せな瞬間はあったのだろうか








































そして、私達はこの日の夜
リズの言いつけを破り肌を重ねあった

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