土曜日の午前中
朝早くから姐さんにファッションショーを
させられ悩みに悩んだ末、黄色と白色のス
トライプのワンピースにした
髪も色々とアレンジしてくれて結果
皆褒めてくれている中、カリムはというと
ずっとそっぽを向いている今朝からずっと
こんな感じだ
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ジャミルside
俺の主人は只今
レイラのすっごく近くで見守っている
俺の発言に彼女は眉間に皺を寄せる
確かに見たんだ、カリムの馬鹿のわがままで絨毯の散歩に付き合わされた時に、建物から建物へと翼がはえているのではと錯覚するほどとても素早く走り回っていた彼女を
あの動きはとても人間の動きではない
だとしたら、あれは見間違いだったのか?
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昨夜
絨毯からおりて、見慣れた背中を追う
声が聞こえ、さっと隠れる
彼女は図体のでかい男の首を平気で掴み、
持ち上げる。既に地面には数人の死体があった
彼女は躊躇なく男の喉を切り裂く
一言でいうと化け物だった、従者の惑を越えている
全神経に力を入れ、全力で気配を消す
ふと、リズがこちらを向いた気がした
命の危機を感じ、直ちに走り去った
幸いにも巻くことができたが、一歩遅かったら俺でも確実に殺されていた。一体彼女は何者だ?
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遠くにいるカリムに控えめの声量で言うが
耳のいいカリムはすぐに気づきこちらに来た
その時だった事件が起きた、
あなたが偶然一人いる時に男達が彼女に絡んできたのである、それもナイフをもってその場所は人気はなくとても危険な場面だった
俺が怒鳴ったと同時だった
レイラは1人の男を蹴り飛ばし空中で回転したと思ったら、男の頭を掴み逆立ちし、足を振り回す。ナイフは飛んでいき残り1人の男の腹にストレートを1発決める。その1発は地面に亀裂が入るほどで男は血を吐く
その動きはとても早く10秒ほどだった。あんなにか弱い少女が4人の男をボコボコにする光景を俺とカリムは口を開け呆然と見ていた
やはり俺は殺される危険があるのか?
適当に流されたのが気に入らなかったのか、彼女は顔を真っ赤にして『本当に違うんだからな!勘違いするな!』と叫び散らかす
脳天気な主人の言葉に不覚にも安心してしまう
あなたを追いいつも通りの通路
を通りスカラビア寮へと向かう
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あなたは幸せそうな顔をして
リズは眉間に皺を寄せカリムは絶望している
主人の失恋を2度も目の当たりに
するのは少々心が痛む
そして、リズとあなたは去っていった
絶望の顔をして俯く主人に話しかける
今日は色々なことがあった
主人の未来の嫁に初彼ができたり
主人が二度の失恋をしたり
リズが国家保安本部長だったり
色々あったが1番印象に残ってるいるのが
昨夜、お前に目撃され本当は殺さなければならなかった。だができなかった
分からない、ただ死んだらきっと何かを失う気がして怖かったんだと思う
リズのこの言葉が気になって寝れなかったなんて事は墓場まで持っていこう
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!