第12話

第12話
2,021
2021/01/05 06:30


長い長いサマーホリデーが明け
いつも通りの憂鬱な授業が始まる


それでも私はカリムに会える事が楽しみで
夜も眠れなかった……それが原因だったのか
リズ
リズ
38.9℃完璧なまでの熱だな
リズ
リズ
今日は休め
あなた
や……行くの
リズ
リズ
だめだ、カリムには私から伝えておく
リズ
リズ
ゆっくり休め
リズは私の額に冷えピタを貼り
布団をかけて出ていく
バタン
リズ
リズ
カリムの野郎、見舞いにいくいく
騒いでいたが断っておいたぞ
あなた
なん………で
リズ
リズ
カリムが来ても
騒ぎ立てて悪化させるだけだ
否定は出来ないけど
リズ
リズ
可哀想な奴め、楽しみで夜も眠れなかっただろうに……全く何か期待していたのだろう?




正直めちゃくちゃ期待してました。
それどころか1ヶ月、会えなかった分
抱き潰してくれるのではと昨日の夜は
肌のケアを念入りにしました
あなた
うぅ
カリムに会いたい………触りたい…

私、すっごく変態じゃない
あの光属性の笑顔で浄化されたい……
抱きしめて欲しい……キスしてほしい
↑熱で頭おかしくなってます
あなた
会いたい…………
リズ
リズ
はぁ〜仕方ないな
ただし約束しろ、
リズ
リズ
接触はするな
あなた
ありがとう………リズ
リズ
リズ
全く、ジャミルに怒られるのは私なんだぞ
リズ
リズ
放課後、ちゃんと呼んでやる。
だからそれまではしっかりと寝ていろ
あなた
う………ん
重たくなった瞼をゆっくりと閉じる


















































なんだか………何か冷たいものが頬に当たったような
リズ
リズ
おい、カリム接触はだめだと言ったはずだ
カリム
カリム
えぇ!これもだめなのか!?
リズ
リズ
当たり前だ移ったらどうするつもりだ
ジャミル
ジャミル
リズ………これくらい許してやれ
こいつはずっとこの1ヶ月間
我慢していたんだ、それに今の
こいつにしては大分理性を保っ
ている方だ
カリム
カリム
そうだぞ!本当は今日、沢山するつもりだったんだぞ!
リズ
リズ
大きい声をだすな!
とにかく私とジャミルは外で
待っててやる。いいか?30分
だけだぞ、絶対に触れるな!
ジャミル
ジャミル
カリム、理性を保つんだ
カリム
カリム
……分かったよ
バタンと扉が閉まり二人きりになる
カリム
カリム
あなた?大丈夫か?
眉を下げ子犬のような瞳でこちらを
見るカリムに胸が射止められる
あなた
カリム………キス………して
カリム
カリム
うぅ………だめだ
私のわがままにカリムは下唇をぎゅとかみ
目をこれでもかと瞑りプルプルと震え、
何かと戦っている
あなた
1回だけでいいの……………おねがい………
じわっと視界が滲むのを感じ
泣きかけているのだと気づく
──────────────────────


side誰?
カリム・アルアジーム
彼は只今、己の理性と葛藤している
好きな子がベットに寝転んで誘ってくる
という、17歳の思春期男子には刺激が強すぎる
最高のシュチュに悶え苦しんでいるのである
涙目、上目遣い、火照った顔、無防備な寝巻き、
乱れている息、二人きり、などなど


彼の頭の中に沢山の大砲がうたれ、
なんとか理性をフルで活用させている中
あなた
1回だけで……………いいの………お願い
と好きな子が誘ってくるのだから
17歳お年頃(現在進行形)のカリム少年
の理性はとうとうぶち壊された
──────────────────────
カリムは何かから解放されたように突如
目を開き始めた、そしてこちらに近づいてくる
私の上に覆い被さるカリムと目が合った
彼はあの時と同じ雄の顔をしていた
あなた
カリッ──
彼は自分の唇をあてがい、そのまま繰り返す
私が逃げようと後ろに身を引くと頭の後ろに
ガッチリと手を置かれキスは更に激しくなる


1回だけって言ったのに………!


キスは段々と深くなっていきとうとう舌まで
入れてきた、いつも熱を帯びているカリムの
舌は冷たく、それほどまでに今の自分の口の
中は熱いのかと恥ずかしくなった




冷たくて、苦しくて、深くて、気持ちいいキスに
私はどうやってカリムをとめるか
頭をフル回転させて考えるしかなかった



すると、突然カリムはごろんと
私の横に寝転び仰向けになる
カリム
カリム
あ゙ぁ゙〜〜〜
あなた
カリ…………ム?
流石に急にやめられてびっくりした。
カリム
カリム
よく耐えた、よく耐えたぞ俺!
↑耐えられてません
自分の顔に右腕を被せたと思ったら
右腕の隙間からチラッとこちらを見るカリムと
目が合った
カリム
カリム
ごめんな、1回で終わんなくて
あなた
大丈夫…………だよ
私の右側にいるカリムはこちらに体を向け
私の頬に触れると髪の毛をいじり始めた
カリム
カリム
あなた、熱下がったら
すぐに俺の部屋来いよ
沢山抱いてやる
イケメンの顔でそんなセリフは反則っす!



まぁでも抱いてやらないこともないだろう
↑いや何様?
あなた
うん…………抱いてね
と、自分の頬にあるカリムの手に頬を擦り寄せたら
カリムは急にガバッと起き出し
カリム
カリム
ジャミル!俺を止めてくれ!
と叫び出した時は本当にびっくりした













その後、あんなにキスしたの
に移らないか心配だったが
リズ
リズ
心配ない、バカは風邪を引かない
なんとも説得力しかないリズの言葉で安心して眠りにつき、そして、次の日には復活した私をカリムは容赦なく抱き潰したのである

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