長い長いサマーホリデーが明け
いつも通りの憂鬱な授業が始まる
それでも私はカリムに会える事が楽しみで
夜も眠れなかった……それが原因だったのか
リズは私の額に冷えピタを貼り
布団をかけて出ていく
バタン
否定は出来ないけど
正直めちゃくちゃ期待してました。
それどころか1ヶ月、会えなかった分
抱き潰してくれるのではと昨日の夜は
肌のケアを念入りにしました
カリムに会いたい………触りたい…
私、すっごく変態じゃない
あの光属性の笑顔で浄化されたい……
抱きしめて欲しい……キスしてほしい
↑熱で頭おかしくなってます
重たくなった瞼をゆっくりと閉じる
なんだか………何か冷たいものが頬に当たったような
バタンと扉が閉まり二人きりになる
眉を下げ子犬のような瞳でこちらを
見るカリムに胸が射止められる
私のわがままにカリムは下唇をぎゅとかみ
目をこれでもかと瞑りプルプルと震え、
何かと戦っている
じわっと視界が滲むのを感じ
泣きかけているのだと気づく
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side誰?
カリム・アルアジーム
彼は只今、己の理性と葛藤している
好きな子がベットに寝転んで誘ってくる
という、17歳の思春期男子には刺激が強すぎる
最高のシュチュに悶え苦しんでいるのである
涙目、上目遣い、火照った顔、無防備な寝巻き、
乱れている息、二人きり、などなど
彼の頭の中に沢山の大砲がうたれ、
なんとか理性をフルで活用させている中
と好きな子が誘ってくるのだから
17歳お年頃(現在進行形)のカリム少年
の理性はとうとうぶち壊された
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カリムは何かから解放されたように突如
目を開き始めた、そしてこちらに近づいてくる
私の上に覆い被さるカリムと目が合った
彼はあの時と同じ雄の顔をしていた
彼は自分の唇をあてがい、そのまま繰り返す
私が逃げようと後ろに身を引くと頭の後ろに
ガッチリと手を置かれキスは更に激しくなる
1回だけって言ったのに………!
キスは段々と深くなっていきとうとう舌まで
入れてきた、いつも熱を帯びているカリムの
舌は冷たく、それほどまでに今の自分の口の
中は熱いのかと恥ずかしくなった
冷たくて、苦しくて、深くて、気持ちいいキスに
私はどうやってカリムをとめるか
頭をフル回転させて考えるしかなかった
すると、突然カリムはごろんと
私の横に寝転び仰向けになる
流石に急にやめられてびっくりした。
自分の顔に右腕を被せたと思ったら
右腕の隙間からチラッとこちらを見るカリムと
目が合った
私の右側にいるカリムはこちらに体を向け
私の頬に触れると髪の毛をいじり始めた
イケメンの顔でそんなセリフは反則っす!
まぁでも抱いてやらないこともないだろう
↑いや何様?
と、自分の頬にあるカリムの手に頬を擦り寄せたら
カリムは急にガバッと起き出し
と叫び出した時は本当にびっくりした
その後、あんなにキスしたの
に移らないか心配だったが
なんとも説得力しかないリズの言葉で安心して眠りにつき、そして、次の日には復活した私をカリムは容赦なく抱き潰したのである
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。