第7話

第7話
2,196
2021/01/01 06:43


目を開けると見慣れない部屋が広がっていた
リドル
リドル
目が覚めたかい?
あ、そっか私昨日リドルに
わがまま言って泊めてもらったんだ
あなた
わがまま言って
迷惑かけてごめんなさい
リドル
リドル
かまわないよ
君が泣くなんて珍しいからね
あなた
ありがとう
リドル
リドル
歌って踊れば辛いことも忘れる。だったかな?僕は人を慰めるなんて事はできないけれど君の所の寮長だったらそういうんじゃないのかい?
あなた
ふふ
リドル
リドル
なんだい!
人が慰めてあげてるというのに
あなた
不器用なんだなって思っただけだよ
器用な優しさより不器用な優しさの方が時には心地いいものだってお父様が仰っていたけれど本当なんだな〜
リドル
リドル
言っておくけどね
僕は器用な方なんだからね
頬を膨らませながら不貞腐れるリドルに
つい笑いがもれる
リドル
リドル
やはり君は笑っていた方がいいよ
あなた
え?
リドル
リドル
なんでもない
あなた
でもさっき
リドル
リドル
あぁもう時間だよ早く行くよ
あなた
うん
まだ全然時間に余裕があるけど
そういうことにしとこう
妙に視線が気になるが2人で登校した
リズ
リズ
一体どこに行っていたんだ!
リズ
リズ
一晩中探していたんだぞ!
連絡の一つや二つ
よこしたらどうなんだ
ジャミル
ジャミル
落ち着け、リズ皆見ているぞ
カリム
カリム
あなた!怪我はなかったか!?
心配したぞ大丈夫か?
スマホを確認したらカリムやリズから
沢山の通知がきていた
あなた
ごめんなさい
リドル
リドル
僕からも謝るよ、僕が連絡しておけば
よかったね。心配いらないよ彼女は
ハーツラビュル寮の空き部屋で泊まっていたからね
皆の顔が安堵したのが分かった
ジャミル
ジャミル
リズ、お前は少し休め
リズ
リズ
問題ない
ジャミル
ジャミル
問題ない訳がないだろう
昨夜一睡もしていないだろ
保健室に行くぞ
リズ
リズ
ジャミルには関係のない事だ
ジャミル
ジャミル
はぁ〜さっさと行くぞ
リズ
リズ
あ、ちょ
ジャミルはリズの手を引き足早に去っていく

これはこれは、新しい恋模様?
リドル
リドル
では、僕は職員室に用があってね
ここで失礼するよ
あなた
うん、ありがとうリドル
カリム
カリム
あなた、本当に大丈夫なのか?
顔色が悪いぞ
心配そうに私の顔を覗き込むカリムの
目の下にはくっきりとクマがあった
あなた
うん、大丈夫だよ。
心配かけてごめんねカリム
カリム
カリム
何かあったら言うんだぞ!
あなた
うん
あなた
ありがとう
今夜、カルマくんの後をついて行ってみよう
放課後────
カリム
カリム
一緒に帰ろうぜ!あなた
あなた
うん
あなた
今日は2人になると思うの
カリム
カリム
お?なんでた?
あなた
リズは一度寝たら8時間寝る人なのその間は何があっても1度も起きないの
(まぁ殺意を向けられたら別だけど)
あなた
さっきジャミルから連絡があってリズは俺が連れて帰るからカリムを頼むだって
カリム
カリム
一応、保健室よるか?
あなた
そうだね
保健室へと到着すると、丁度ジャミル
が出てきたリズをお姫様抱っこして
カリム
カリム
よぉジャミル!
ジャミル
ジャミル
静かに、こいつは寝ているんだ
多少騒がれただけじゃリズは起きないけど……
まぁ触れないでおこう
ジャミル
ジャミル
俺は先に帰っているからな
カリム
カリム
おう!またな
あなた
リズをよろしくね
カリム
カリム
あいつら付き合ってるのか?
あなた
だよね、私も思った。そうじゃないとしても早くくっついちゃえばいいのに
カリム
カリム
あの2人仲良いしな!
1限~6限までほとんど記憶がない、
ずっとぼーっとしていたのは覚えているけど
















夜────。
ポムフィオーレ寮の前で待っていたら予想通りカルマくんがきょろきょろしながら出てきた、追っていったら商店街の路地裏につき衝撃な光景が広がっていた
カルマ
カルマ
フレア
フレア
フレア
カルマ、久しぶり
モブ
モブ
久しぶりって昨日会ったばっかりだろ?
フレア
フレア
そうだった笑
モブ
モブ
今日は長くは会えないから
フレア
フレア
じゃあキスして
モブ
モブ
不安なのか?
フレア
フレア
うん、もしかしたらカルマがその子の事すきになるんじゃないかって
モブ
モブ
言っただろ?あいつと付き合ってるのは結婚したら俺が皇帝になれるから、皇帝になったらあいつを殺してお前を嫁に迎えるよ
フレア
フレア
あはカルマ頭いい♡
全ての場面を私は隠れて声を押し殺し聞いていた頬に涙が伝い嗚咽が響く。バレてはまずいと思いその場を去る
急いでスカラビア寮に向かうが足が
思った通りに動かずふらふらしている
スカラビア寮の門が見えてきた、あと少しの所で腰が抜け壁に寄りかかり床にペタンと座る
スカラビア寮の広い庭園に私の嗚咽が響き渡る
カリム
カリム
……あなた?
カリム
カリム
どうしたんだ!?こんな所で
私の顔を見たカリムはぎょとした顔をしてすぐさま駆けつける、私の目線に合うようにしゃがみ心配そうに顔を覗き込む
カリム
カリム
誰にやられた?
少し声のトーンが低い気が
したがそれどころじゃなかった
あなた
カルマっ………くん………かのじょっ……いたっ
あなた
こうっ……ていに…………なるためっ………にっ……わたしと………つきあってるっ………って
途切れ途切れで分かりにくい説明をする
私にカリムは相槌をうち抱きしめてくれる
カリム
カリム
俺じゃだめか?
カリム
カリム
絶っ対あなたのこと幸せにするし、
絶っっ対泣かせない
カリム
カリム
だから……お願いだ俺を選んでくれ
苦しそうな顔をしながらそういうカリムに
私は勢いで頷いてしまった
カリムは泣きじゃくる私をお姫様抱っこ
して寮まで連れてきてくれた
ジャミル
ジャミル
カリっ
カリム
カリム
カルマ・ダーヴィンを
今すぐに連れて来てくれ
ジャミル
ジャミル
了解した
カリムの今までに見た事のない圧に
ジャミルも私も寮生全員が息を飲む
寮長室に入り広いベットに私を
下ろしてくれるそして頭を撫でて
カリム
カリム
落ち着いたか?
と、眉を下げて心配してくれる

嗚咽も鳴きやみ、涙もとまった私は頷く
あなた
カリムさっき勢いで頷いちゃったけど
でもまだ私カルマくんの事が好きなの
カリム
カリム
あぁ
あなた
だから、そのっカルマくんへの気持ちが完全に消えたら私からカリムに告白するから………だからっ……その…待っててくれる?
カリム
カリム
あぁ!もちろんだ。ありがとう
と、また私の事を抱きしめてくれる
あなた
カルマくんは私から別れを告げるよ
カリム
カリム
大丈夫か?
あなた
うん、ありがとう
コンコン

扉をノックする音が聞こえ、カリムが入れ
と声をかける、ジャミルの後ろにカルマくん
がいるのが分かった
カリム
カリム
ジャミル、席を外してくれないか
ジャミル
ジャミル
あぁ
ジャミルが出ていったのを確認し、深呼吸をする
あなた
カルマくん、別れよう
カルマ
カルマ
え?どうして?
あなた
私より大切な彼女がいるみたいだから
私がそういうと、カルマくん
は顔を青くし言葉を詰まらせる
カルマ
カルマ
ハッ
カリム寮長と付き合うためだろ?
カルマ
カルマ
自分だってカリム寮長と浮気してたくせに俺のせいで別れよう?それはおかしんじゃないのかい?あなたさん
浮気なんてしてないのに、勝手に勘違いして
流石の私でも腹もたつよ
言い返しそうとした瞬間にゴンッと音がした
音がした方を見るとカリムが壁を殴って眉間
に皺をこれでもかというほど寄せカルマくん
を睨んでいた
カリム
カリム
俺は、今怒っているんだ
カリム
カリム
二度とあなたに近づくな
分かったな?と睨みつけられたカルマくんは
ひぃと情けない声をあげ部屋からでていく
カリム
カリム
大丈夫か?あなた💦
二重人格ではと疑うほどさっきとは別人な
子犬のような瞳でこちらを覗き込む
ジャミル
ジャミル
カリム、すごい音が聞こえてきたが大丈夫か?
カリム
カリム
おぉ大丈夫だぞ!
彼の右手から血が出ていることに気がついた
さっき、壁を殴ったからだ
あなた
カリム手、血が出てるよ
カリム
カリム
ん?あぁこんなの舐めとけば治る!
あなた
だめだよ、はい手出して
カリムの差し出された手に私は
自分のユニーク魔法を使う
あなた
妖精の癒しエレフ・ルヒリア
金色の魔力をカリムの右手にあてる
みるみる傷は治りカリムもジャミル
も驚きのあまり目を見開く
ジャミル
ジャミル
ユニーク魔法か?
あなた
うん、一応。あ内緒だよ?
カリム
カリム
すげぇ〜あなたは本当、見た目も魔法も女神みたいだな!
無自覚にいうカリムの言葉に顔が沸騰する
あぁ、きっと自分は今凄く顔が赤いだろう
ジャミル
ジャミル
にしても珍しいユニーク魔法だな
ジャミル
ジャミル
治癒魔法なんて聞いたことがないぞ
あなた
グレイス一族は、妖精の血が混ざってるのだから百年に一度私みたいな治癒魔法が使える子が産まれてくるの
あなた
妖精の癒しエルフ・ルヒリア」は自分には使えないの、でもその分治せない傷はないって言われてる
カリム
カリム
へぇ〜
よく分かんないけどすごいんだな!
ジャミル
ジャミル
さすが皇族だな
バンッ
勢いよく扉が空いたと思ったらリズが
こちらに向かって般若の顔で近づいてくる
リズ
リズ
どうして、起こしてくれなかったんだ
このドアホ!
と、ジャミルの胸ぐらを掴む
ジャミル
ジャミル
はぁ〜、いくら起こしても全く起きなかったんでね
リズ
リズ
お前が寝かしたんだ!
責任もって起こさんかい!
あなた
まぁまぁ、リズ落ち着いて。
ジャミルだって保健室で貴女が
寝ている時ずっと見守っててく
れたんだよ
あなた
放課後だって、リズの事お姫様抱っこでスカラビア寮に運んでてくれたし。沢山世話を焼いてくれていたんだよ
あなた
お礼を言うべきだよ
リズ
リズ
ほう?お姫様抱っこ、でねぇ〜
リズ
リズ
ずっと見守ってくれた、ねぇ〜
にやにやしながら挑発する
リズにジャミルが顔を真っ赤にして
ジャミル
ジャミル
何がいいたい
とボソッとつぶやく
リズ
リズ
起こしてくれたら完璧だったな
ジャミル
ジャミル
お前は、いつもいつもありがとうの1つも言えんのか
リズ
リズ
で?何があったんだ?あなた
カリム
カリム
俺達付き合う事になったんだ!
ジャミル
ジャミル
はぁ!?
リズ
リズ
え!?
あなた
まてまてまてまて
誤解をとくために私はジャミル
とリズに1から説明すると
リズ
リズ
やはり、あの時殺しておくんだったな
ジャミル
ジャミル
やめろ、縁起でもない
リズ
リズ
安心しろあなた
必ず息の根をとめてやる
あなた
ははっ殺しちゃダメだよ?
ジャミル
ジャミル
にしてもカリムを選ぶ
なんて大丈夫なのか?
リズ
リズ
嬉しいくせに((ボソッ
ジャミル
ジャミル
うるさい
あなた
いや、まだ選んだ訳じゃ──
カリム
カリム
俺とあなたの子供可愛いだろうなぁ〜
早い!とても!それと、とても重い!





















この時から既に、私はカリムに惚れ込んでいた事に気づくのはもう少し先のお話

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