sideジャミル
事件がおこった
カリムはあなたの手を引き嵐のように去っていった
全くあいつはいつもいつも………
明日の朝は叱っておかなければ
当然のように二人で教室に鞄をとりに行った後
スカラビア寮に向かう
コソコソと、言いたいことがあるのなら
はっきり言えばいいものを…………
俺達のくだらない噂を残念ながら話す
男子生徒達は最終的にリズに話しかける
こいつ殺してやろうか?
グズ野郎共は顔を青くして
震えその場から去っていった
リズは男に全く興味がない。頭では分かってるつもりでも、なぜか先程からずっとイライラがおさまらない
…………………………は?
リズを見ただけで妙に胸が苦しくなるのも
彼女に触れると顔と耳が熱の時より暑いのも
彼女が好きだったからだ
理解した途端に突然恥ずかしさが芽生えてきた
俺、告白した!?この俺が!?こいつに!?
あ〜!何やってんだ俺!こいつの事だから
絶対に冷やかしてくるにきまっ………え?
彼女の方を見るととんでもないぐらいに
顔を赤くして硬直していた
彼女はカタコトでぎくしゃくしながらそう答える
いつも男勝りで無表情で氷のような性格の彼女が
こんなにも可愛い顔で赤くなる姿を見て女なんだと実感する←超失礼
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同じ部活の仲のいい人→フロイド、エース
同じクラスの仲のいい人→アズール
という訳でまともな奴がいない
そういう訳で、ポムフィオーレ寮寮長室で
作戦会議をする事になった、なぜ
ポムフィオーレ寮にいるのかというと………
ヴィル先輩はまぁ、頼りになる……
だがアリスは…………まぁリズの数少ない友達だしな
アリス・ラーシェンヘルツ
名家の家のでで超お嬢様、NRCの数少ない
生徒の中の1人で頭脳面積、眉目秀麗、
運動神経、スタイル抜群の超ハイスペック
ちなみにリドルの彼女
あんたが勝手に連れてきたんだろう!
リドルは職員室に用事があるということで
俺がアリスをハーツラビュル寮まで強制的
に送らせられることになった
何気ない会話をしながら廊下を歩いていた
その時、アリスが転びかけそれを俺がぎりぎりの所で受けとめた。だが、運悪くバランスを崩し床になだれ込む
この体制はまずい………
俺がアリスを押し倒しているみたいではないか
どこうと起き上がった瞬間にガサッと背後から
音が聞こえ勢いよく後ろを振り向くそこには
リズは足早に来た道を引き返して言った
学園中のリズが行きそうな場所をあちこち探す。
すると温室の大きな木の下に座り込んでいる
彼女をみつけた
俺が怒らせたのか!?どうして!?何に?
とりあえず謝ろう………いやでも何に!?
その場から立ち上がり俺に背を向けるように
彼女はそう吐き捨てた
関わらないでくれ、なんて俺が1番
したくないこと、できないことだ
これからずっと関わるななんて無理がある
その声色はいつもの彼女のような元気は
なく、疲れ果てた声色だった
リズはいきなり叫びだし温室中に響く
その声には怒りと悲しみが含んでいた
リズはこちらを向いたと
思ったらを向き目を細めて笑った
初めて見た、彼女が笑っている所は……
あなたといる時だって笑わなかった
彼女が初めて俺の前で笑った。でも
なんで……そんな顔で笑うんだ……
悲しそうで苦しそうで何かを押し殺したような、
笑顔で眉を八の字にさせて不器用な笑顔を作る
そう言い残して、再び背を向け歩き出す
彼女の背を反射的に無意識に手を伸ばし
後ろから抱きしめていた
彼女の肩をぐいっと引っ張りこちらを向かせる
肩に手をおき、彼女の顔に顔を近づける
俺の事が好きではないなら……どうして
そんなにも辛そうな顔をする、苦しそうな
顔をする、なぜ俺が触れたら顔を赤くする
彼女の声が震えていることに気づき
俯いていた顔を上にあげると、
彼女の頬には涙が伝っていた
な、なぜ泣く!?てかお前そんな可愛いキャラじゃないだろ!?いや、もとから可愛いけど………俺が泣かせたのか!?俺が、俺が悪いのか!?←初恋&好きな子が泣いていて過去一パニくる
彼女の掴んでいた肩を勢いよく離す
さっきからずっと俯く彼女を
そっと抱きしめる、すると彼女は
俺の背中に腕を回す
全く
俺の彼女は
最後の最後まで
なぜこんなにも
素直じゃないんだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。