第15話

第15話 ジャミルのお話
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2021/01/08 07:41
sideジャミル





事件がおこった








カリム
カリム
じゃ!あなたは今日、俺の部屋で
泊まりだから!よろしくなリズ!
リズ
リズ
あぁ、優しくしてやってくれ
あなた
な!?ちょ!/////リズ!


カリムはあなたの手を引き嵐のように去っていった
ジャミル
ジャミル
はぁ〜
ジャミル
ジャミル
毎度毎度、うちのがすまない
リズ
リズ
いや、問題ない
既に慣れているからな
全くあいつはいつもいつも………
明日の朝は叱っておかなければ
リズ
リズ
さぁ、帰るぞ
ジャミル
ジャミル
あぁ
当然のように二人で教室に鞄をとりに行った後
スカラビア寮に向かう
モブ
モブ
なぁ((ボソッ
モブ
モブ
あぁ、リズさんとジャミルが付き合ってるって本当みたいだな((ボソッ
モブ
モブ
俺、狙ってたのによ〜((ボソッ


コソコソと、言いたいことがあるのなら
はっきり言えばいいものを…………

俺達のくだらない噂を残念ながら話す
男子生徒達は最終的にリズに話しかける
モブ
モブ
リズさん、ジャミルと
付き合ってるって本当ですか?
リズ
リズ
ハッ、私がこいつと?ありえん
モブ
モブ
じゃあどうして一緒に
リズ
リズ
お互いの主人が恋仲でな
こういう付き合いもある
モブ
モブ
で、ですよね〜笑
リズさんがジャミル
みたいな顔だけの奴と
ジャミル
ジャミル
イラァ

こいつ殺してやろうか?
リズ
リズ
勘違いしてもらっては困る
リズ
リズ
確かに、ジャミルと付き合うなんて事はないが………お前達のようなクズ共とは死んでもごめんだ
リズ
リズ
それと……私のことを下の名前で
呼ばぬ方がいいぞ…………
まぁ殺してほしければ別だがな


グズ野郎共は顔を青くして
震えその場から去っていった
ジャミル
ジャミル
お前、意外にモテるんだな
リズ
リズ
意外には余計だ💢
リズ
リズ
まぁここは男子校だからな女だから
という理由で人気は集まりやすい

リズは男に全く興味がない。頭では分かってるつもりでも、なぜか先程からずっとイライラがおさまらない
リズ
リズ
どうした?嫉妬か?



…………………………は?





























ジャミル
ジャミル
そうか………俺は……嫉妬していたのか
リズ
リズ
…………
リズ
リズ
お前、私のこと好きなのか?
ジャミル
ジャミル
あぁ、そうみたいだ………今気づいたが


リズを見ただけで妙に胸が苦しくなるのも
彼女に触れると顔と耳が熱の時より暑いのも


彼女が好きだったからだ






理解した途端に突然恥ずかしさが芽生えてきた




俺、告白した!?この俺が!?こいつに!?
あ〜!何やってんだ俺!こいつの事だから
絶対に冷やかしてくるにきまっ………え?




彼女の方を見るととんでもないぐらいに
顔を赤くして硬直していた
リズ
リズ
そ……………………う、なの………か/////
彼女はカタコトでぎくしゃくしながらそう答える
リズ
リズ
これは………告白…なのか?/////



いつも男勝りで無表情で氷のような性格の彼女が
こんなにも可愛い顔で赤くなる姿を見て女なんだと実感する←超失礼
ジャミル
ジャミル
付き合おうと思っている
訳じゃないから返事は結構だ
リズ
リズ
は?………あ、あぁ
─────────────────────
ジャミル
ジャミル
といううことが1ヶ月前にあったんだ
リドル
リドル
話はだいたい分かった
が……なぜ僕なんだい?
ジャミル
ジャミル
仕方ないだろ……俺の周りには
まともな奴がいないんだ……
リドル
リドル
カリムがいるだろう?
ジャミル
ジャミル
論外だ
リドル
リドル
同じ部活の仲のいい人とか……


同じ部活の仲のいい人→フロイド、エース
同じクラスの仲のいい人→アズール


という訳でまともな奴がいない
リドル
リドル
まぁ仕方ないね←頼られて嬉しい
リドル
リドル
できる限りの力はかすよ
ジャミル
ジャミル
助かる

そういう訳で、ポムフィオーレ寮寮長室で
作戦会議をする事になった、なぜ
ポムフィオーレ寮にいるのかというと………
ヴィル
ヴィル
任せなさい
乙女心を理解しきったアタシが
いるからにはもう心配ないわ
アリス
アリス
私も、全力を尽くしますわ
リドル
リドル
なぜこの2人まで呼んだんだい?
ジャミル
ジャミル
勝手についてきたんだ
仕方ないだろう
ヴィル先輩はまぁ、頼りになる……
だがアリスは…………まぁリズの数少ない友達だしな




アリス・ラーシェンヘルツ
名家の家のでで超お嬢様、NRCの数少ない
生徒の中の1人で頭脳面積、眉目秀麗、
運動神経、スタイル抜群の超ハイスペック

ちなみにリドルの彼女
アリス
アリス
それで、バイパーさんは
リズに告白したと……
アリス
アリス
まぁまぁなんて素敵なことでしょう
ジャミル
ジャミル
本当に思っているのか?
煽りにしか聞こえないぞ
アリス
アリス
失礼ね、心から祝福しているわ
ヴィル
ヴィル
「付き合おうと思っているわけじゃないから返事はいらない」って本当なの?
ヴィル
ヴィル
あんたの強すぎる独占欲じゃ
今すぐにでも自分のものに
したいと思ってそうだけど
ジャミル
ジャミル
あぁ
ヴィル
ヴィル
どっちなの?
ジャミル
ジャミル
……………
ヴィル
ヴィル
はぁ〜、あなたね質問には答えなさい
リドル
リドル
まぁ、どちらでもいいじゃないか
付き合いたければ告白しなおして
付き合おうと思わなければそのままでいい
リドル
リドル
恋愛とは君が思っている
以上に単純なものだ
アリス
アリス
ふふ、こうして強がっているけれど
リドルが私に告白してくれた時は
とても大騒ぎだったのよ
リドル
リドル
アリス………君は少し黙っていてくれないか
アリス
アリス
まぁ、楽にすればいいわ
私の友達を幸せにしなさいよ
ジャミル
ジャミル
当たり前だ
ヴィル
ヴィル
そういうことならそろそろ
帰ってちょうだい、私も暇じゃないの
ジャミル
ジャミル
💢

あんたが勝手に連れてきたんだろう!
リドル
リドル
では、失礼します。ヴィル先輩



リドルは職員室に用事があるということで
俺がアリスをハーツラビュル寮まで強制的
に送らせられることになった
アリス
アリス
ごめんなさい、リドルは過保護なの
ジャミル
ジャミル
そうみたいだな
ジャミル
ジャミル
まぁ、そこがあいつのいい所の1つだからな
アリス
アリス
分かっているようで結構よ










何気ない会話をしながら廊下を歩いていた
その時、アリスが転びかけそれを俺がぎりぎりの所で受けとめた。だが、運悪くバランスを崩し床になだれ込む
ジャミル
ジャミル
悪い
この体制はまずい………
俺がアリスを押し倒しているみたいではないか
アリス
アリス
大丈夫よ、ありがとう
どこうと起き上がった瞬間にガサッと背後から
音が聞こえ勢いよく後ろを振り向くそこには
リズ
リズ
…………………邪魔…………したな



リズは足早に来た道を引き返して言った
アリス
アリス
行かないのかしら?
ジャミル
ジャミル
お前の……送り迎えが
アリス
アリス
結構よ
アリス
アリス
それよりも、私の未来の旦那様の
友人が好きな子1人追いかけられない
芋男なんて困るもの
アリス
アリス
さぁ、行きなさい
ジャミル
ジャミル
助かる



学園中のリズが行きそうな場所をあちこち探す。
すると温室の大きな木の下に座り込んでいる
彼女をみつけた
ジャミル
ジャミル
リズ!
リズ
リズ
…………
ジャミル
ジャミル
怒っているのか?


俺が怒らせたのか!?どうして!?何に?
とりあえず謝ろう………いやでも何に!?



リズ
リズ
もう、私に関わらないでくれ
その場から立ち上がり俺に背を向けるように
彼女はそう吐き捨てた
ジャミル
ジャミル
は?


関わらないでくれ、なんて俺が1番
したくないこと、できないことだ


これからずっと関わるななんて無理がある
ジャミル
ジャミル
いやだ、絶対に
リズ
リズ
いい加減にしてくれないか……
リズ
リズ
私は、従者だ殺人鬼だ
その声色はいつもの彼女のような元気は
なく、疲れ果てた声色だった
ジャミル
ジャミル
違う、お前は殺人鬼なんかじゃないだろう
リズ
リズ
殺人鬼なんだよ………
お前が思ってるよりも……私は汚い
リズ
リズ
お前はいい男だ、私なんかよりも
ずっとお前にふさわしい女は沢山いる
リズ
リズ
こんな汚い女よりも
その女と幸せになれ
ジャミル
ジャミル
なにを………いっているんだ……お前は
ジャミル
ジャミル
俺は、リズ以外の女なんて──
リズ
リズ
もうこれ以上、私に
くだらない感情を植え付けるな!
リズはいきなり叫びだし温室中に響く
その声には怒りと悲しみが含んでいた
リズ
リズ
お前と出会ってから、
ずっと意味の分からない感情が
混じりあっている………
リズ
リズ
もう疲れたんだ………
リズ
リズ
お前も、もう楽になれ


リズはこちらを向いたと
思ったらを向き目を細めて笑った

初めて見た、彼女が笑っている所は……
あなたといる時だって笑わなかった
彼女が初めて俺の前で笑った。でも





なんで……そんな顔で笑うんだ……




悲しそうで苦しそうで何かを押し殺したような、
笑顔で眉を八の字にさせて不器用な笑顔を作る
リズ
リズ
幸せになるんだぞ
そう言い残して、再び背を向け歩き出す
彼女の背を反射的に無意識に手を伸ばし
後ろから抱きしめていた
ジャミル
ジャミル
まてっ!俺の話を少しは聞け!
リズ
リズ
っ………
ジャミル
ジャミル
お前は俺が好きなんだろ!?
リズ
リズ
ち、違う!
ジャミル
ジャミル
違わない!
リズ
リズ
違うと言っているだろう!
ジャミル
ジャミル
じゃあ、なぜ
彼女の肩をぐいっと引っ張りこちらを向かせる
肩に手をおき、彼女の顔に顔を近づける
ジャミル
ジャミル
そんな顔をしている

俺の事が好きではないなら……どうして
そんなにも辛そうな顔をする、苦しそうな
顔をする、なぜ俺が触れたら顔を赤くする
ジャミル
ジャミル
なぜだ………
リズ
リズ
それっ…………はっ
彼女の声が震えていることに気づき
俯いていた顔を上にあげると、
彼女の頬には涙が伝っていた


な、なぜ泣く!?てかお前そんな可愛いキャラじゃないだろ!?いや、もとから可愛いけど………俺が泣かせたのか!?俺が、俺が悪いのか!?←初恋&好きな子が泣いていて過去一パニくる
ジャミル
ジャミル
す、すまない痛かったか!?
彼女の掴んでいた肩を勢いよく離す
リズ
リズ
………最悪だ……お前の前で………
泣いて……しまうなど
ジャミル
ジャミル
すまない………
リズ
リズ
…………
リズ
リズ
私は従者だ
ジャミル
ジャミル
あぁ
リズ
リズ
私は何よりもあなたが大事だ
お前は私の中の1番にはなれない
ジャミル
ジャミル
生憎、俺も従者一緒
リズ
リズ
お前は、もっと………もっと
お前のことを大事にしてくれる
奴を選ぶべきだ
ジャミル
ジャミル
あぁ、だからこうして選んでいるじゃないか
リズ
リズ
私でいいのかっ
ジャミル
ジャミル
お前じゃなきゃ意味がない
リズ
リズ
本当かっ?………嘘じゃないな
ジャミル
ジャミル
当たり前だ
さっきからずっと俯く彼女を
そっと抱きしめる、すると彼女は
俺の背中に腕を回す
ジャミル
ジャミル
カリムの次にしか優先してやらない
ような男だが、絶対に大事にする
ジャミル
ジャミル
付き合ってくれないか
リズ
リズ
………………………
リズ
リズ
お前をこんなにも分かってくれる
のは私しかいないからな………
リズ
リズ
仕方ない……付き合ってやらないこともない










全く








俺の彼女は
















最後の最後まで



















なぜこんなにも

















素直じゃないんだ

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